目次
序章 歴史と現在をつなぐために―三人の証言とコメントを素材にして
第1章 現代農業革命と世界農業類型
第2章 日本農業の農法的個性―農業発展における自然の規定性
第3章 社会の規定性―農業・農村主体性の存在形態
第4章 農地改革の歴史的意味―戦前から戦後へ
第5章 歴史的ポジションの規定性―中進国的問題状況
補章 E・トッドの世界類型論から農業問題を考える
終章 日本農業の発展論理―再び小倉武一とシンプソンの問いに向き合って
著者等紹介
野田公夫[ノダキミオ]
1948年、名古屋市生まれ。京都大学大学院農学研究科博士課程修了。農学博士(京都大学)。島根大学農学部を経て京都大学農学部。現在、京都大学大学院農学研究科教授(比較農史学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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amabarashi
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日本農業の個性(農法や社会のありかた)とその歴史過程を明らかにし、世界の農業類型のなかの一部として位置づけ、現在の日本農業の問題点をえぐりだす。現状研究と歴史研究の接続、農業経済学を目的科学として再構成しようとする意思が強く感じられる良書。2013/08/11
壱萬参仟縁
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野田先生には京大の農業簿記研修でお世話になった。15年前だったと記憶している。先生の魅力は、農村主体性の側から問題をみるということは、現場の存在証明やエートスと、近代化策との間の隙間に従来の農業経済学が無関心だったということへの言及だ(114ページ)。農業経済学は社会を十分咀嚼することができなかった(265ページ)。だから評者は文化経済学に心酔しているのだ。いろんな学問を究めると、そこからはみ出たくなるのは評者の性だが、まだ究めてもいないので言う資格はないが、学際対話で社会分析に新境地は求められることは確2012/09/10