目次
1 政治、経済、財政、金融、地方自治(色あせた「国民の生活が第一」をいかに立て直すか―「開国」は文明論の次元から考察の積み重ねを;国際競争力より内需創造力―現代「自然な資本投下の順序」論・序説;誠実な経済学者であるならば、TPPに反対しなければならない ほか)
2 医療、食、労働、地域、環境(TPPと日本の医療;日本医師会もTPPに懸念を表明―「日本の医療を守るための国民運動」の展開へ;安全、安心な食とTPPは真っ向から対立する―消費者こそ反対の声を上げなければならないTPP ほか)
3 農業、農村(「強い農業」とは対抗論理の欠落である―世界農業類型からTPPを批判する;日本農業のネックは農地法なのか?―農地法再改正より世代交代支援策を;『農協の大罪』の大罪―山下一仁氏の農業・農協論批判 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
41
初読。2014年33冊め。政治経済だけではなく、医療、食、労働市場、環境、地方自治などの視点からTPPが日本にもたらす災厄が解説されている。特に関心を持ったのが、害虫や外来種による生態系の破壊について。そこまで考えたことはなかった。医療の質の低下の可能性も大いに問題だ。2014/01/23
ophiuchi
5
「論点」とあるので賛否両論が入っているのかと思ったら、全部反対論だった(編者が農文協だから当然か)。私も反対だけど、不参加のデメリットに一切触れられていないので、説得力に欠けるように思えた。2011/10/08
壱萬弐仟縁
4
中山間地域の生き延びる方法が問われる。私はTPPには反対だ。
小僧武士
2
『①日本は緊縮財政をおこない、米国債投資を増やすこと、デフレは継続すること(日本の預貯金を日本で使わせないで米国債へ投資させる狙い)。②世界でも有数の資金量を誇る郵政公社を民営化して、それをアメリカ資本が買収すること。③伏せて民間の大手金融機関の体力を弱体化させて外資に買収させること。これらの要求は、2002年から始まった小泉構造改革で、アメリカの意向に忠実に沿って進められた。その結果、8年間で国内から91兆円を絞り上げて、海外投資に回したり米国債の購入に充てたりしている。』菊池英博 日本はアメリカの属国2016/12/08
かんちゃん
1
前のレビューにもありますが、両方の識者からの意見を踏まえて自分で考えることが必要になるとは思います。ただ、確かに現状TPPが必要なのかということは考えなければならないかもしれません。だが果たして、東アジアを中心とした経済圏の構築を目指すことがその代替案として適切かどうかは分かりません。TPP反対論により説得力を持たせるためには、現状維持を越えた方策の議論が必要だと思いました。2011/11/23