内容説明
農山村の現場で着実に生まれ始めた地域再生への数々の取組みと政策当局の現場で重視され始めた様々な政策を分析し、それが持続する諸条件を浮き彫りにし、農山村と地方全体の再生の戦略的実践方向を提案。それは、地方都市の再生に応用できるものも少なくないことを明らかにする。
目次
今なぜ、農山村再生か―本書の課題
第1部 新しい農山村コミュニティの創成(新たな農山村コミュニティの実態と性格;地域共同売店の実態と持続可能性)
第2部 農山村における新しい産業の構築(地域農業・農村の「6次産業化」とその新展開;高齢者による「小さな経済」の効果とその条件―「小さな経済循環」形成の必要性;「交流産業」の形成条件;新しい地域産業の形成プロセス―何から始め、どのようにステップアップするべきか)
第3部 農山村支援政策の新展開(農山村再生策の新展開;人材支援と人材形成の条件と課題―「補助金から補助人へ」の意義を考える;集落・地域を対象とした農林水産政策の展開動向と課題―各種の交付金制度に注目して)
第4部 農山村再生の展望とJAの可能性(農山村再生の展望と論点;農山村再生とJAの可能性)
著者等紹介
小田切徳美[オダギリトクミ]
1959年、神奈川県生まれ。1988年、東京大学大学院博士課程単位取得退学。明治大学農学部教授。明治大学農山村政策研究所代表。農学博士。関心分野:農政学、農村政策論、地域ガバナンス論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
2
本著は名古屋の政府刊行物センターで見つけていつか図書館で読んでみたいとかねてから思っていた。評者の年齢の前後する世代がかなり書いているので、なかなか年代によっても比較して読むと感覚のズレも見られて面白い。3章の6次産業論は、民主党のマニフェストでも重視していたが、6次産業の意義はまだ検討の余地がありそうだ。4章の福島県の小さな経済を踏みにじる原発事故には憤りを隠せないだろう。飯山や飯田のグリーンツーリズムに、中山間直接支払の意義も書いてあり、幅広く現代の農山村課題をJA的にとらえるが、TPPもあるとよい。2012/10/02
ねねなのね
0
本当は読んだのはこの本ではなくて、新しい地域をつくるという本。検索してもでてこなかったため。 農山村活性化に関する教科書的な内容だった。2024/07/18