内容説明
「レイモンさん」の手はふっくらとして、とても大きくてやわらかいのです。その大きな手から作り出されるハムやソーセージを口にした瞬間、豚肉のうまみや油の濃厚さが舌や胃袋に語りかけてくるのです…大正時代、国際結婚した最愛の妻と手づくりハムの店を始めたレイモンさん。戦争に向かう嵐の時代の中で、妻と日本への愛を貫いた波乱の人生。
著者等紹介
川嶋康男[カワシマヤスオ]
1950年、北海道生まれ。ノンフィクション作家。主に北方の近代史をフィールドワークに執筆中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぽんくまそ
12
肉汁うまい函館カールレイモンのウインナーを味わいながらこの文を書いている。徒弟制度函館旅館の娘と駆け落ち温泉保養地兼出生地にして最初の開業の地ボヘミアのカールスバード汎欧州主義者添加物嫌い素材へのこだわりソーセージを受けつけなかった日本人の大人たちとすぐ受けつけた子どもたち畜産で北海道を食生活ごと改造計画畜産と農業を組み合わせた循環構想工場付設動物園作った満州国で活動道庁と雪印創業者による工場強制買収。晩年レイモンさんが毎日散歩していた道って、さっきわしが歩いとった道やんけ…2015/11/30
nemuro
3
行きつけの居酒屋のママが「函館ゆかりの本」として貸してくれたのですが、夫妻の生涯は、まさに波乱万丈。そこには、まったく予想もしていなかった「カール・レイモン物語」がありました。なるほど。カール・レイモンのハム&ソーセージが美味しいはずです。2011/01/10
雨巫女
1
駆け落ちまでして結ばれたレイモンさんとコウさんが、教えてくれたハム&ソーセージを是非とも食べてみたいよね2010/01/11