内容説明
「風土」を生かして活気ある産業・暮らし・地域の創造を!世界恐慌・地方の疲弊のなかで「風土産業」の旗を高く掲げた三澤勝衛。今、学び、生かし、引き継ぐ。
目次
ガイダンス論文(「風土産業」入門―『三澤先生講演速記 風土産業について』;気象の力をもっと取り入れよう―「農業と気象との交渉」)
風土産業(社会人への「風土教育」の重要性;自力更生より自然力更正へ―自然災害に立ち向かう人びとに;風土産業)
著者等紹介
三澤勝衛[ミサワカツエ]
1885(明治18)年長野県更級郡更府村(現・長野市信更町)の農家に生まれる。尋常高等小学校卒業後農業に従事しながら勉強し、小学校の代用教員になる。その後検定試験に合格し、地理科教員免許を取得。1920(大正9)年長野県立諏訪中学校(現・諏訪清陵高校)の教諭になり、「自分の目で見て自分の頭で考える」教育の実践と、独自の「風土」の思想を確立し、風土に根ざした地域産業・暮らし・地域づくりに生涯をささげた。太陽黒点の観測・研究者として国際的に高く評価されている。1937(昭和12)年8月18日永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さきん
22
多くの人は、数字に現れる降水量や温度といったところに目がいったり、わかりやすい土壌の質を上げて、それさえ良ければ上手くいくはずだと思い込んでしまう。実は、「風土」という風の強さや蒸散、土壌と地形、植生の状況を総合的に判断して農業すべきではないかということを主に長野県内の事例を挙げて著者が紹介する。2017/02/25
壱萬参仟縁
8
某研究者に刺激を受けて、まだ借りていなかったため読んでみた。「風土は、人を育て、産業・地域を育てる根源」(19頁)。「無価格の偉大な価値」とか、「雪産業」(25頁)などという表現は初めてお目にかかる。堀田力先生の、ヴォランティアは「無償財」という指摘も想起するが、よそではまねのできない産物をつくるのが風土産業という(25頁)。冒頭の図式は、さながら農業地理学のような感じを受ける。「製紙と水引工業」(48頁~)は、本日のヒアリングでポイントの一つだった。元結(頭髪を結う和紙の細い紐)の産地、加工の松尾地区。2013/10/08
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