内容説明
硝酸塩への極端なおそれが社会にまん延しており、正真正銘の毒物と考えられたり、ときにはタバコやアルコールよりもおそれられるようになっている。さらに生水は、たとえ硝酸塩含量がきわめて低いとしても、多くの人にとって触れてはならないものと見なされている。マスメディアが繰り返し報じることで硝酸塩の危険性はさも科学的に厳密に立証され、岩よりも堅固で永遠不変の基本的真実であると受け取られようとしている。しかし、現在では、食品中の硝酸塩と人間の健康の関係についてまったく新しい見地から考えることが可能になっている。本書の結論は第5章に示してある。ここで著者たちは、一般的に信じられていることとちがい、野菜中および水道水中の硝酸塩が人の健康に対してまったく危険がないことを示した。
目次
第1章 医薬における硝酸塩の歴史
第2章 自然界の窒素循環と自然肥よく性
第3章 体内での硝酸塩の生成と代謝
第4章 体液中の硝酸塩濃度の変動と役割
第5章 硝酸塩は本当に危険か―科学的再考
第6章 硝酸塩の規制は正当化できるか
第7章 硝酸塩の健康に対する効果
第8章 総括および結論
付録
著者等紹介
越野正義[コシノマサヨシ]
昭和10年(1935)、札幌市生まれ。昭和32年(1957)3月、北海道大学農学部農芸化学科卒業。農林省農業技術研究所、草地試験場、北海道農業試験場などを経て、平成5年(1993)、農業環境技術研究所資材動態部長。平成7年(1995)退官。その後、全農肥料農薬部技術主管、(財)、肥糧検定協会専務理事、技術参与などを勤めたのち、平成17年(2005)退職。この間、平成16年(2004)10月に、内閣府食品安全委員会「肥料のリスク評価」検討委員として、文献調査および報告書の作成にあたる。平成12~16年、土壌肥料学会副会長、現在、同監事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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- 和書
- 何があっても大丈夫