内容説明
本書は、水田とそのまわりの水域と陸域からなる“農村環境”における、多様な生きものの生態と生態系を明らかにし、その保全・修復のための新たな技術、環境配慮型工法を提案しています。また、「ハードの技術」にとどまらず、事業の計画づくりと事業後の管理における事業主体、受益農家、専門家、地域住民、NPO等の役割分担と協力関係など、「ソフトの技術」についても明らかにしています。
目次
第1章 水田水域の環境修復の課題(なぜ、水田生態工学が必要なのか;水田生態系の特徴 ほか)
第2章 水路と水田の生態系(水路に生息する魚類の生態;水田で産卵する魚類の生態 ほか)
第3章 環境修復のハード技術(魚道の対策と効果;落差工の対策と効果 ほか)
第4章 環境修復のソフト技術(環境修復対策の流れ;行政、農家、住民の協力と役割分担 ほか)
第5章 事例に学ぶ環境保全工法(湧水性魚類の保全工法;ゲンジホタルの保全工法 ほか)
著者等紹介
水谷正一[ミズタニマサカズ]
1948年東京都生まれ。1975年東京大学大学院農学研究科博士課程単位取得退学。宇都宮大学農学部教授。東京農工大学大学院連合農学研究科教授併任。農学博士。専門分野:水辺生態系の保全・計画、現代の水利と水資源の評価、モンスーン・アジアにおける比較潅漑システム。社会活動:日本学術会議連携会員、棚田学会理事、日本水大賞選考委員、田園自然再生活動コンクール審査委員。「メダカ里親の会」の活動で、環境省・自然環境功労者受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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