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内容説明
イワン雷帝の贅沢三昧、怪僧ラスプーチンの質素な食卓。ユーラシア大陸の真ん中にあって、アジアとヨーロッパの食を貪欲に呑み込み、めくるめく多様さを見せるロシアという大テーブルの饗宴。
目次
第1章 ロシアらしい食生活とは何か?
第2章 ロシア料理は順番に
第3章 ロシアの辛党、甘党―飲み物とデザート
第4章 ああ、インターナショナル!―ロシア周辺の様々な民族料理
第5章 歴史を通して見たロシアの食生活
第6章 現代の食生活―革命からポスト共産主義時代へ
終章 食の意味―ロシア人にとって「食べる」とは何を意味するのか?
著者等紹介
沼野充義[ヌマノミツヨシ]
1954年東京都生まれ。東京大学大学院博士課程満期単位取得退学、ハーヴァード大学スラヴ文学修士。東京大学文学部教授
沼野恭子[ヌマノキョウコ]
1957年東京都生まれ。東京大学大学院博士課程満期単位取得退学。東京外国語大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
348
著者の沼野充義、恭子ご夫妻はともにロシア文学者。お料理研究家でないところに期待を込めて読んだ。ただ、巻末の参考文献はひじょうに充実していたが、本文中でのロシア文学への言及はそれほど多くはなかった。おそらくはロシア料理を語るのにあれもこれもと語り尽くせず、このような結果になったものと思われる。そうはいっても、内容はとっても充実している。本書によれば、ロシア料理の特質は①酢漬けの野菜やキノコの多用②前菜とスープの種類が豊富③さまざまなパイ④味付けはシンプルに塩と胡椒⑤ヴァレーニエ(ジャム様のもの)を好むこと。2022/09/14
Moeko Matsuda
8
最近とにかく気になっていて仕方ないロシアを、今回は食文化きら覗いてみることに。社会的な背景や民族の歴史などとの関連も見えてきて、大変面白い。これで一度でも現地に行ったことがあるなり、本に出てくるメニューを食べたことがあるなりすれば、何倍も楽しめたような気がする。今度ロシア料理を食べにいこうかな。日本とロシアで、選ぶ食材の傾向が似ているような気がしたけれど、それはロシアがとても広大で、色々な地理的要素を持っているからなのかな。兎にも角にも、とても興味深く、勉強になる一冊でありました。2017/04/15
お肉太郎
6
世界史に出てくるような歴史についての言及はもちろん、共産主義、宗教との食の関係が示されたり、文学の引用もあったり、幅広い記述が面白い。シリーズすべて買うことにする。それにしても、やたらと引用されるポフリョプキンとは何者か。英語wikiしかないし、それも来歴くらいしか書いてない(「ソ連によって発禁になってたポフリョプキンの膨大な著作が、解体後一気に出版され、複数著者がいるペンネームかと思われた」というwikiのエピソードは面白いけど)。和訳は0、英訳さえも1つしかないようだ。ロシア語で読めるようになりたい。2013/10/16
m_s_t_y
5
ロシアの食についての考え方がざっくり分かる楽しい本。ロシア人街のスーパーで見た大きな魚の切り身はチョウザメだったことがわかった。「ウォッカの正しい飲み方」はベルンのチェスの大会でロシアのGMに教わった方法そのものだった。お酒弱いけど今度試してみる。2015/04/19
茶坊主
4
久々にこのシリーズ。今回も面白かった。 現在のいわゆる「コース料理」は「ロシア式」だった。へぇ~。バターなどはあまり使わず、素材の味を生かしたシンプルなものが多い。 伝統的に、客人は大いに歓待し、皆でわいわい食べるのが好き。魚をよく食べる(ただし、川魚)等々、意外と日本人に近い感覚かも。ひょっとしたら、仲良くなれるのか?ロシア人。 ロシア正教による、斎戒日と祝祭日の食の規律が何事にも「両極端」になりがちな国民性につながってる、という考察も面白い。 この執筆、故米原万理さんに参加して欲しかった~~。 2019/03/19
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