内容説明
親の介護を考える年代になったとき、誰もが自分のこととして、これからの人生をどこで、誰と、どう生きるか、問い始める。今、社会制度の整備を追い越して急激に進む我が国の高齢化社会は長寿を祝福する環境を奪い、高齢者は生活の不安を抱えている。最期まで納得した生き方をする意思があってはじめて自分の「終の住処」を現実に思い描くことができる。高齢になっても活き活きと暮らすために、住まいに求められるものは何か。多世帯家族が共同で暮らす住まいに、どんな知恵と工夫があるのか。グループリビングやグループホームとはどんな場所なのか。「終の住処」を地域再生の拠り所にする意味はどこにあるのか。グループホームや高齢者のための住宅を設計してきた建築家による渾身の住まい論。
目次
第1章 活き活きと暮らすための知恵と工夫(第三の人生の居場所を考える;地域に開かれた場所をつくる ほか)
第2章 集まって住む「終の住処」(誰と住むか、どこに住むか;兄弟、姉妹で住む ほか)
第3章 サポートを受けて暮らす(集まって住む「新しい住まい」;社会ネットワークに支援された住まい―グループリビングCOCO湘南台 ほか)
第4章 「終の住処」は地域再生の拠り所
著者等紹介
齊藤祐子[サイトウユウコ]
1954年、埼玉県浦和(現さいたま市)生まれ。建築家。一級建築士事務所・有限会社SITE主宰。早稲田大学芸術学校講師、武蔵野美術大学講師、神楽坂建築塾講師。1977年、早稲田大学理工学部建築学科卒業後、U研究室で吉阪隆正に師事。1989年、空間工房101を設立、2000年、有限会社サイト・SITEに改組。住居を原点に設計活動を続けている。主な仕事に、益子・土埃庵、荻窪・一二・五坪のSOHO、浦和・ギャラリーのある二世帯住居、東中野・パオコンパウンド、グループホーム「あおぞら」、東チベット高原の小学校など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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