内容説明
土着菌で身近な有機物を発酵利用、減農薬・有機で40年連作。
目次
序章 減農薬・有機で四〇年連作=わが家の農業の特徴
1章 四〇年連作を支える「発酵システム」(土着菌が主役の土づくりと施肥;圃場全体が発酵槽だ ほか)
2章 手づくり発酵資材のつくり方・使い方(土着菌の採取と増殖;土着菌ボカシ肥 ほか)
3章 有機物発酵を生かす土づくり(昔の育苗床の「踏込み」に学ぶ;ハウス定植ベッドの踏込み ほか)
4章 健全・減農薬栽培の実際(ハウスキュウリ;露地野菜 ほか)
著者等紹介
松沼憲治[マツヌマケンジ]
昭和7年11月茨城県総和町生まれ。昭和27年3月茨城県立境高校卒業。同4月家で就農。平成7年総和町農業委員。平成13年総和町農業委員会長。同年猿島郡(7市町村)農業委員会長協議会会長。就農後は、父親の指導のもと野菜、水稲を中心に栽培。昭和35年から経営を任され、同40年にハウスキュウリを700坪に拡大し促成と抑制の年2作栽培を始める。以降、ハウスキュウリ、露地野菜、水稲の複合経営を続け現在に至る
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感想・レビュー
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里のフクロウ
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有機栽培の技術書と読めるが、著者の営農の考え方を背景として理解しておくことが重要である。すなわちここで著されているのは小規模農家が複合経営として多品種作物を輪作と多毛作で栽培し、農産物の高品質高生産量の持続的発揮とその基盤地力の維持等極めて多重的な要請を背景として実践された農法なのである。小規模複合営農の現代的農書と呼べるものである。私は特に「土中発酵」に注目した。生の有機物を鋤き込むんでの土作りの技法である。近代農法ではなく伝統農法からの知恵を生かしたものである。小規模営農家のバイブルである。2017/06/24