出版社内容情報
樹木は、芽生えた環境、あるいは植えられた環境に適応しようと必死で工夫をこらして生き、その痕跡を幹や枝や根などに刻む。本書は、木の幹・枝・根・年輪・葉・芽などに刻まれた形や痕跡の意味を説き、図解でわかりやすく解説。こうした木の育つしくみがわかっていないために、良かれと思って施す剪定などの管理が、かえって木を弱らせていることが多い。本書を読めば、身近な木が、生きてきた歴史や悩みを能弁に語り出し、木の気持ちがわかり、木にやさしい手当て法がおのずとわかってくる。
内容説明
本書では、樹木の観点に立って、わかりやすく樹木の育ち方や手当てについて説明している。
目次
1 樹形からわかる木のメッセージ(幹が語る;枝が語る;根が語る ほか)
2 木の育つしくみ―誤解をしていませんか(木の断面を見る;養水分の吸収と光合成産物の転流;糖の転流と養分蓄積 ほか)
3 木の診断と管理法―誤解だらけの管理方法(葉・新梢の診断と手当て;枝の診断と手当て;幹・樹皮の診断と手当て ほか)
著者等紹介
堀大才[ホリタイサイ]
1947年生まれ。1970年日本大学農獣医学部林学科卒。財団法人日本緑化センター主幹
岩谷美苗[イワタニミナエ]
1967年島根県生まれ。1989年東京学芸大学教育学部卒。NPO法人樹木生態研究会事務局長。樹木医。森林インストラクター
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感想・レビュー
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猫柳
4
樹木の剪定は単に人間のエゴであることを突きつけられた。著しく見栄えを損なわせる徒長枝、胴吹き、ひこばえ。しかし樹木の立場からすれば生存のためにやむなしに取った危機回避行動である。人間にとって樹木の剪定は大変な作業であり、こまめに剪定するより労力をかけないために一度にバッサリ済ませたい願望があるため、どうしても強剪定になりがち。一度に大量の枝や葉を失った樹木が生き延びるために危機回避行動をとる事は、生物にとって当たり前のもの。樹木は語らず。だが注意深く観察すれば樹木は我々に語りかけてくる。実に良書だった。2025/10/09
ビリー
1
挿し絵が子供っぽいのでちょっと嘗めてたが、なかなか分りやすく要点を押さえた良書だった。森に行きたくなる。もうちょい写真があれば文句なしかな。2014/02/23
シエナ
0
木を眺めるのが楽しくなる本 図も多く説明もわかりやすかった。 普段何気なく眺める街路樹もいろんなメッセージを発していることがわかった。2019/01/11