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出版社内容情報
ダムに沈む前の三面マタギ集落に移り住み、山に生かされた山人の心象と技と四季の生活を克明に聞き書きし、生き生きと描く。「山の力(野生)」と「人の力(人為)」とが対峙し重層的に織りなす山の空間構造を俯瞰。
内容説明
本書は、三面に長期滞在のかたちで入り、本格的な記録をはじめた一九八二(昭和五十七)年冬から、村が閉村にいたった一九八五(昭和六十)年晩秋までの四年間に書かれたフィールドノートをまとめ、四季の暮らしを中心に構成し、後半では自然と村人の関係のあり方について若干の考察を試みている。
目次
第1章 狩りの日の出来事
第2章 降りしきる雪の中で―冬
第3章 山の鼓動とともに―春
第4章 むせるような緑に抱かれて―夏
第5章 時雨れる雲の下で―秋
第6章 山人の自然学
著者等紹介
田口洋美[タグチヒロミ]
1957年茨城県生まれ。元、近畿日本ツーリスト(株)日本観光文化研究所主任研究員。明治大学文学部卒業。現在、狩猟文化研究所代表。東京大学大学院新領域創成科学研究科在学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はにゅ
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直接会うことは難しい相手でも、本なら話を聞けるのがいいです。秋田のマタギは有名ですけど、越後の山もまたいでたのかー。貴重な記録ですね。2007/07/01
ポンポコ
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凄い本。ダムに沈んだ三面村に映画『越後奥三面』の撮影隊として入り、そこに住みつきながら山の暮らしを記録。採集漁撈狩猟栽培加工全て詰まった山の暮らし、山の恵みに対して機会平等という村のしきたり、山の物は全て山の神からの頂き物なので山に感謝しつつ、山を半分殺して生きるという自然観。平場には平場の、山には山の生き方がある。これだけの記録が書籍として残っている三面は大変に幸せな閉村を迎えたと思う。この陰には数百の村々とその伝統が記録にも残らずに滅びているのだから。2013/09/18
じょん・すみす
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新潟県を3つに分ける上・中・下越。そのまた北に位置し、山形との県境にある村上市三面地区。ダムに沈んだ狩猟文化の残る山人たちの暮らしに密着取材し、その生活や文化、風習などを描いたこの作品。口語体で書かれているので、下越地区の北の方以外の新潟県民でも読むのは難しいかもしれない。(笑)(しかし「〜だはで」などは「〜だわで」のほうがよいのでは)もちろん内容もすばらしく、読んだ人は文化や伝統の在り方を深く考えることになるだろう。自然を読むこと、彼らにとっての肉と、神聖なもの。現代の画一化してゆく便利な社会と対比が面2012/01/11