出版社内容情報
多くの税理士は、顧問先企業の記帳代行や申告書作成を主要業務としているが、
クラウド会計ソフトやIT/AI技術の急速な発展に伴って、こうした業務にはもはや
ビジネスとしての付加価値がなくなった。
今後税理士に求められるのは、個別の顧問先ごとに財務数値の分析を行い、
それを経営者にわかりやすく説明していくことだろう。
そこで本企画では、「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」「貸借対照表」の
財務3表をベースとした財務分析の新たな手法と、顧問先企業への指導方法について、
会話形式でわかりやすく解説する。
第?章 財務に関心を持たせる
プロローグ?顧問先経営者の財務への関心を惹きつけるにはどうすればよいか
1 損益分岐点に関心を持たせる
(1) トントンの売上高
(2) トントンの売上高(金額ベース)
2 キャッシュフローに関心を持たせる
(1) 余るキャッシュフロー
(2) 支払能力
3 会社の体力に関心を持たせる
(1) あと何年存続できるか?
(2) 貸借対照表による表示
第?章 財務3表の全体像と会計の基礎ルール
1 財務3表の全体像
(1) 財務3表とは
(2) 損益計算書とは
(3) キャッシュフロー計算書とは
(4) 貸借対照表とは
2 「収益・費用」と「収入・支出」との違い
(1) 「収益・費用」と「収入・支出」の違い
(2) 具体的な事例による説明
3 売上原価の構造
4 減価償却費の意味
第?章 財務3表について詳しく理解する
1 損益計算書
(1) 損益分岐点と損益計算書の基本
? 「トントンの売上高」の算出
? 固定費・変動費
? 限界利益・限界利益率
? トントンの売上高の算出の事例
? トントンの売上高の算出公式が成り立つワケ
(2) 固定費と変動費の区分
? 損益計算書の構造と固定費・変動費の区分対象
? 固定費と変動費の区分が問題点を浮き彫りにする
? 固定費と変動費の区分が実務的に役立つ
(3) トントンの売上高と“ゆとり”
? “ゆとり”の分、すべては利益にならない
? トントンの売上高を下げるには
(4) 限界利益率の応用
? 多品種の限界利益率を大きくするには
? 赤字製品の製造販売は中止すべきか
? 限界利益率は1 ?(変動費÷売上高)に置き換えできる
(5) 損益分岐点の応用
◆損益分岐点(トントンの売上高)の応用式は役立つ
・ 経営安全余裕率
◆経常利益率を分解すれば、問題点が浮き彫り
2 キャッシュフロー計算書
(1) キャッシュフロー計算書の概要
(2) 営業CF・投資CF・財務CFの意味と見方
(3) 営業CFについての詳細説明
? 売上債権とキャッシュフロー
? 棚卸資産とキャッシュフロー
? 仕入債務とキャッシュフロー
? 減価償却費とキャッシュフロー
? キャッシュフロー計算書のプラス・マイナス表示の原理
(4) キャッシュフロー計算書の構造
? 営業CFの構造
? 投資CFの構造
? 財務CFの構造
3 貸借対照表
(1) 左側はプラス財産(運用)と右側はマイナス財産(調達)
(2) 調達欄と運用欄には、因果関係がある
(3) プラス財産の合計を「総資産」・マイナス財産の合計を「総資本」
(4) 左側も3区分・右側も3区分
? 流動資産・固定資産は1年基準
? 流動負債・固定負債も1年基準
? 純資産は、主に資本金と剰余金
4 財務会計上の財務3表の接点
(1) 当期純利益の発生と蓄積
(2) 財務3表の接点である当期純利益
第?章 管理会計の発想による財務3表の活用法
1 損益計算書から変動損益計算書への転換
2 貸借対照表からキャッシュ体質図への転換
(1) 「キャッシュ体質図」とは
? 悪玉資産
? 善玉負債
? 脂肪資産
? エネルギー資本
(2) キャッシュ体質図の見方
(3) 悪玉資産>善玉負債のとき、売上高が増加。借入金はどうなる?
(4) キャッシュ体質図は6パターン
3 キ ャッシュフロー計算書とキャッシュ体質図の関連
(1) 企業の支払能力とCF計算書
(2) 貸借対照表の独自の配列とCF計算書
(3) キャッシュ体質図とCF計算書のリンク
? 悪玉資産と善玉負債
? 脂肪資産
? エネルギー資本
? 現金等と有利子負債
(4) キャッシュ体質図の事例
? A 社のキャッシュ体質図
? しまむらのキャッシュ体質図
? フジテレビ、TBS、日本テレビ、テレビ朝日のキャッシュ体質図
? ファーストリテイリング(ユニクロ)としまむら
? ファミリーマートとユニー
4 管理会計の発想による財務3表の接点
5 キャッシュ体質図と営業CFの関連原理
(1) 売上高の増減パターンと営業CF の関連
? 悪玉>善玉のパターン
? 悪玉<善玉のパターン
(2) 具体例による説明
6 上場会社のキャッシュ体質図の活用と事例
(1) ソースネクストと弱気になっている顧問先
(2) 日本マクドナルドと無謀な顧問先
(3) アデランスと鈍感な顧問先
(4) ニトリ、大塚家具と安定期に成すべき戦略
? ニトリ
? 大塚家具
7 安全性分析の注意点と返済原資
8 財務分析上の注意点
(1) 現状と傾向をつかむ
(2) 比率分析と実数分析を両方使う
(3) 数字は大まかにとらえる
(4) 他の会社との比較や基準値比較は慎重にする
第?章 未来へのシミュレーション
1 利益・資金計画の活用
(1) 利益計画とは
(2) 利益・資金計画の作成ポイント
(3) 経常利益までを予測する利益計画を立案
(4) 利益計画の立案手順
? 現状分析
? 一般経済情勢や業界動向等を考慮
? 目標利益(率)の決定
? 売上高、売上原価、販売費及び一般管理費に関する方針の決定
? 年間計画と月次計画の作成
(1) 損益分岐点の応用公式
(2) 設例による利益計画
? 現状分析
? 一般経済情勢・業界動向等を考慮
? 目標利益を決める
? 売上高や各種費用に関する方針を決める
? 年間利益計画書を作成
? 月次利益計画書を作成
(3) 資金計画の作成
? 設例の利益計画から資金計画(資金繰り表)へのシフト
? 損益に関わるもの以外のキャッシュの「入」と「出」に関する項目の検討
? 設備投資計画の作成
? 借入計画の作成
2 独自システムの開発
(1) 表計算ソフトでの経営計画システム作成は困難
(2) 独自開発によるシミュレーションシステムの活用
税理士法人TripleWin[ゼイリシホウジントリプルウイン]
編集
堀江國明[ホリエクニアキ]
著・文・その他
堀江亮佑[ホリエリョウスケ]
著・文・その他
内容説明
クラウド会計、AIに負けない税理士になるための教科書!
目次
第1章 財務に関心を持たせる(損益分岐点に関心を持たせる;キャッシュフローに関心を持たせる ほか)
第2章 財務3表の全体像と会計の基礎ルール(財務3表の全体像;「収益・費用」と「収入・支出」との違い ほか)
第3章 財務3表について詳しく理解する(損益計算書;キャッシュフロー計算書 ほか)
第4章 管理会計の発想による財務3表の活用法(損益計算書から変動損益計算書への転換;貸借対照表からキャッシュ体質図への転換 ほか)
第5章 未来へのシミュレーション(利益・資金計画の活用;独自システムの開発)
著者等紹介
堀江國明[ホリエクニアキ]
税理士。1955年埼玉県小川町生まれ。1979年日本大学経済学部卒業。1981年日本大学大学院経済学研究科博士前期課程修了。1983年拓殖大学大学院商学研究科博士前期課程修了。1985年税理士登録。1987年堀江國明税理士事務所開業。2004年嘉悦大学講師(2008年3月まで)。2007年小川町代表監査委員就任。2011年小川町代表監査委員退任。2016年税理士法人Triple Win設立。2017年嵐山町代表監査委員就任
堀江亮佑[ホリエリョウスケ]
税理士。1984年埼玉県小川町生まれ。2008年慶應義塾大学商学部卒業。2010年日本大学大学院経済学研究科博士前期課程修了。2011年税理士試験合格。2011年~2013年都内会計事務所に勤務。2013年堀江國明税理士事務所入所。2014年税理士登録。2016年税理士法人Triple Win社員税理士として入社(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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