内容説明
近年、「生活大国」の構築を目指して、労働時間の短縮、人間性豊かなライフスタイルの実現などが標榜され、社会的レベルや企業システムにおける環境整備や構造改革の推進が、重要な政策課題の一つに掲げられている。果たして、それらの取り組みは今日までどの程度の効果を挙げているのであろうか。そして、日本の勤労者生活における「ゆとり、豊かさ」の実現という目標に対して、どこまで達成できてきたのであろうか。連合総研では、その実態を把握して、さらに今後への課題を探るために、わが国および米国、英国、独国、仏国の5か国の勤労者を対象に、個々人の生活における時間の使い方と意識に関する国際調査を実施した。本書は、その調査結果を素材として、生活時間、生活スタイルの国際比較研究に関し造詣の深い東京工業大学の矢野真和教授を中心に、研究会を重ねて分析したものに、矢野研究室でこれまで蓄積されてきた研究成果を加味し、カナダを含めた6か国比較としてとりまとめたものである。
目次
第1部 生活時間の国際比較からみた日本人の生活(生活のゆとりと時間の使い方;生活時間の国際比較)
第2部 各論(調査の概要;時間の使い方とゆとり;生活のリズムとやすらぎ;年間の暮らしぶりと豊かさ;生活意識面での「ゆとり、豊かさ」の比較)