「電機・半導体」大崩壊の教訓

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  • サイズ B6判/ページ数 317p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784537259544
  • NDC分類 542.09
  • Cコード C0033

内容説明

イノベーションへの誤解が、ここまで日本をダメにした!「敗戦」を続けてきた日本の半導体、「売れるもの」を作れなくなった電機業界の実態とは。

目次

第1章 電機産業壊滅の真因(なぜソニーはイノベーションを起こせなくなったのか?;シャープは本当に「世界の亀山モデル」をつくっていたのか?;水道哲学が消失したパナソニック)
第2章 日本半導体敗戦、再び(4回も敗戦していた日本DRAM;自己決定能力が欠けていたルネサス)
第3章 激変する世界の半導体・電機産業(世界市場はどこまで成長するか?;ネジ・クギになった半導体;半導体はどこで製造されているか?;世界の工場となった中国の半導体産業;SNS時代の半導体;スマホ/タブレット時代の到来;終焉を迎えたウィンテル連合時代;アップルとサムスンの訴訟問題とクリステンセン氏の失言)
第4章 日本のものづくり再生への道筋(日本が同じ間違いを繰り返す原因;「組織のジレンマ」を回避せよ;LSIの3次元化を制する者が次世代を制する;日本は半導体メモリに回帰すべきだ;新メモリの登場え新市場創出が鍵に;全員マーケティングに参加せよ;地球的経営ができる経営者を!)
第5章 自動車産業に忍びよる不安(半導体技術者は部分最適しかできない;EV化の大津波がやってくるEVがクルマ全体の何%まで普及するか?;ロジャーズの16%普及理論;デファクト・スタンダードはもっと早く決まる;中国・山東省の低速EVの衝撃;EV化をビジネスチャンスに)

著者等紹介

湯之上隆[ユノガミタカシ]
1961年、静岡県生まれ。1987年、京都大学大学院(修士課程原子核工学専攻)卒業後、日立製作所に入社。以後16年半に渡り、中央研究所、半導体事業部、デバイス開発センター、エルピーダメモリ(出向)、半導体先端テクノロジーズ(出向)にて、半導体の微細加工技術開発に従事。2000年に京都大学より工学博士。2003~2008年に、同志社大学にて半導体産業の社会科学研究を推進。兼任で長岡技術科学大学客員教授。現在、微細加工研究所の所長としてコンサルタントや執筆活動に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mazda

21
日本の半導体は、80年代にDRAMで世界を席巻しましたが価格競争に敗れて撤退、その後SoCも鳴かず飛ばず、唯一残ったフラッシュも、日米韓連合に売り飛ばされそうということで、結果的に何も残らない状態です。著者はメモリに期待、と書かれているので、その期待が裏切られた形です。震災後ルネサスのECU供給不足で車のラインが止まったことは記憶に新しいです。車載は品質に対して本当にうるさいので、誰もやりたがらないことがルネサスをオンリーワンにした原因とのことで、これには同意します。日本半導体の巻き返しはあるのか!?2017/07/02

mazda

12
サーバ用に25年保証のDRAMを作るって、それはそれで褒めてあげたいけど、スマホやパソコンでその性能は絶対にいらないです。そりゃ高くて競争力無くなるのは当たり前です。しかも、倒産の原因を外的要因にしたのでは、一切反省できません。護送船団は銀行だけでなく、半導体メーカーも同じで、全員DRAMかと思ったらある日から全員SoC。経営者もマネージャーもいりません。現場を混乱させるのだけは、絶対にやめて欲しいものです。2020/01/30

とうゆ

11
かつて栄華を誇った日本の半導体企業が壊滅してしまったのは何故なのかを、かつて半導体業界にいた著者が説明している。日本企業は半導体市場にイノベーションが起きたことを理解せずに高品質・低利益な製品を作り続けてしまった。すなわち、日本企業は市場のニーズをくみ取らず、かつて自分達が成功してきた慣習に従って動いていたのである。またルネサスの外国企業との取り合いについての事情が面白かった。要するに、ルネサスが今ままでのように低利益で頑張らないと自分達が困るから助けようとしているだけだったとは。2014/05/03

MAT-TUN

7
良い書物。前著、日本「半導体」敗戦(2009・8月)に続く本書(2012.11月)は、前著の後の3年間のことも踏まえ、タイトルにも加わったようにシャープやソニーなどの電気メーカーなどにも筆が及んでいる。イノーベーションのジレンマ、日本企業の病理についての主張は変わっていない(これは、著者の警鐘が実際の企業活動に生かされていないということで、残念なことである。)東芝のNAND事業の話は私のような素人には新鮮で面白かった。これもまたクリステンセン教授の主張する破壊的技術の好例だと思う。2013/03/20

富士さん

4
日本全体にまん延する、良いものを作ったのだから売れない方がおかしい。サービスなんて誰でもできる。そんな、ものづくりオナニーが批判されています。お客さんとコミュニケーションを取ることができない、決められたことを黙々とやる人たちが、自分たちはこれでいいと開き直った挙句がこのざまなのでしょう。しかし、一時日本の電機産業は世界の覇権を握ったはずです。著者のキャリアと被らないせいでしょうが、その理由が説明できているとは思えませんでした。誤った選択と集中が続いて来たのなら、なぜ初手はうまく行ったのかを知りたいです。2023/12/15

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