内容説明
ヒトの性欲に貴賤はない。SM愛好家、フェチスト、異性装者、スカトロジストなど、世間で言われる「ヘンタイ」にスポットを当て、彼らの性欲構造を歴史的・文化的に考察する。
目次
第1章 ヒトの性欲をハダカにする―ヘンタイこそ、ヒトのヒトたるゆえんである
第2章 “極上の快感”はヘンタイにあり―性欲の異常と正常を分ける基準って何だ?
第3章 ヒトの性ほど奥深いものはない―エクスタシーを得るにもルールとマナーがいる
第4章 ホントはこんなプレイを愉しみたい―ヒトの身体はどこでも“快感の源”である
第5章 めくるめくアブノーマルの世界―タブーなき性の多様性がヒトの証
第6章 がんばれ!性の求道者たち―ヘンタイこそ生きるエネルギーだ!
著者等紹介
キムミョンガン[キムミョンガン]
性人類学者。1950年、神戸市生まれ。1975年から1985年まで、京都精華大学にて文化人類学の講師を務め、性について研究を重ねる。1990年以降、在野で「性人類学」の研究を行ない、独自の分野を開拓。『週刊ビッグコミックスピリッツ』『ポパイ』などで、性と愛に関する問題を執筆開始、若者に圧倒的な支持を集める。生物学、動物行動学、性という人類最大の秘密を解き明かす手法には定評がある。1999年、性に関する教育・指導を行なう相談所せいを設立。所長として、さまざまな悩みのカウンセリングに当たっている
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふみすむ
5
SM、フェチ、肛門性交、スカトロ……それまで否定的に扱われてきた性倒錯・嗜好を肯定的に論じている。もはやフロイト以来の精神分析による、性倒錯への伝統的なアプローチには限界があるという主張には、大いに賛同できた。性倒錯という性のあり方を「病理」と見なす精神分析の学問的性格こそが病理だったのだ。健全と病気、正常と異常という対立構造に支配された精神分析ではなく、今まさに、文化人類学の見地を例に種々の性のあり方を「多様性」としてむしろ積極的に承認し、「相対化」して理解に努める、肯定的な研究の姿勢が求められている。2013/05/19
空猫
1
ヘンタイについての研究、性欲と快感についての新書という触れ込みだが、学術的研究に基づいたものではなく、著者の思いつきの段階である。人類学・動物学・精神医学・心理学の知見をツマミ食いし、自分の考えと同じなら賞賛、異なるところは非難するだけの、学生のレポート的内容。今の性の考え方は違うというが、筆者の主張が正しい証拠がない(あっても出所不明の挿話程度)。学者を名乗るが研究・調査論文が全くなく、検証・調査可能な仮説すら構築できていない。興味深い話ではあるけれど、現段階では変態性欲者の理屈っぽい言い訳と大差ない。2012/10/16
iqo720
1
気軽に読むつもりがぐいぐい引き込まれた。 ちょっとでも興味があるならば読むべき本。 「ヘンタイこそ進化と脳の勝利」というのは名言。 読んだ後は知的満腹感でいっぱいとなるとともに、 人に対して優しい気持ちになれる。 引用が多く、筆者の意見は?と思うこともあったが、 中盤から後半にかけては独自の見解も多数述べられており、 なかなか唸らされた。2009/07/23
さき
0
まぁ、私って変態かも…!?なんて恥じらうことなく、相手との変態具合を探りつつ楽しく満足行くまで変態性を探りあいっこしていこう♪まぁ、スカトロの箇所は、読み世怯んでしまう箇所であるが。2015/02/08
とっきー
0
作者が肛門性交をかなり奨励していたが、それは単に作者自身の趣味だろう。所々熱かった。2011/06/06