内容説明
貧しい青年ラスコーリニコフは「選ばれた非凡人は人類のために法を踏み越える権利を持つ」という自らの信念に基づき、強欲な金貸しの老婆を殺害。彼にとってこの行為は善行のための正当化された殺人であったにも関わらず、犯行後、激しい罪の意識に襲われてしまう。自首か、自殺か、逃亡か…自己犠牲に徹して生きる娼婦ソーニャとの出会いを経て、ラスコーリニコフの選んだ結末は…!?人間にとって何が善で何が本当の罪なのか?俺には殺人が許されている―1865年、猛暑のペテルブルグで一人の青年の狂気が発火する。
著者等紹介
ドストエフスキー,フョードル・ミハイロヴィチ[ドストエフスキー,フョードルミハイロヴィチ][Достоевский,Фёдор Михайлович]
1821~1881。ロシア出身の小説家、思想家。19世紀ロシア文学を代表する世界的文豪。貧民救済病院の医師の次男として誕生。24歳の時に書き上げた処女作『貧しき人々』で一躍文壇の寵児となるが、空想的社会主義サークルとの関与で逮捕され、シベリアに流刑される。文壇に復帰後は多くの傑作を発表し、世界の文学・思想に多大な影響を与えた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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徒花
294
KUにて。日本の文学ばかり読んでいたのでなおさらだが、主人公のラスコーリニコフがかなり男前! 殺人事件が起こってミステリーのような感じもあり、探偵役はポルフィーリーなのねと。選民思想の可否と罪を犯した人間が抱くプレッシャーが描かれている。しかし、最後は思った以上にハッピーエンド。そのうち、小説でも読んでみたい。2016/09/04
かわうそ
58
★★★★★やはり漫画を読んだ方が無理矢理難しい文章を読むよりもよっぽどいいですね。学費滞納によって大学を追い出されペテルブルクの粗末なアパートに住んでいる主人公ラスコーリニコフ。ラスコーリニコフは恥に敏感であり、凡人(裕福な人)は場合によっては凡人のために殺されなければならないという思想にとりつかれ強欲な高利貸しの老婆アリョーナを殺し、その場を目撃してしまったリザヴェータをも殺してしまう。その殺人を犯すとによって自分を殺してしまったラスコーリニコフ。2016/09/14
たぁ
19
舞台に行ったので再読。小説を読みなさい私笑 ふと思ったけど ラスコーリニコスフとソーニャは同類ではない気がする。人殺しと娼婦を同等にしていいものだろうか。2019/01/23
たぁ
14
原作を読む前に漫画で読んでみた。 愛って人を変えるなぁ。。 2018/10/28
ntahima
14
【Kindle-189(Unlimited)】標準タイム不明。ラスコーリニコフの下宿やネワ河をどう描いているのか気になって読む。656頁の原作を320頁に圧縮した為、複数のエピソードがワンシーンに再構成されたりはしているものの思ったよりも原作に忠実に描かれている。小説ではラスコーリニコフの妹ドゥーニャの方がソーニャより遥かに美人となっているがマンガ版では逆転している。ソーニャはロシア文学史上で最も有名な女性なので、これもまあ仕方あるまい。当然の事ながら小説に比べるとマンガは飛ぶように読める。まさに走馬灯。2017/11/13