うつ病の常識はほんとうか

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  • サイズ B6判/ページ数 195p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784535983564
  • NDC分類 493.76
  • Cコード C3011

内容説明

日本の自殺率は50年前より高い?現代はストレス社会である?几帳面な人はうつ病になりやすい?うつ病には正確な基準がある?うつ病の薬は多ければ多いほど効く?『なぜうつ病の人が増えたのか』の著者がうつ病の「常識」にふたたび挑む。

目次

第1章 なぜ自殺者は3万を超えているのか(長期経過から見た日本の自殺者数;人口構造を標準化した自殺率;自殺率が高い国、低い国;自殺対策の方向性)
第2章 ストレスは増えているのか(客観的な豊かさの指標;なぜ世の中が改善してもストレスは減らないのか;ネガティビティ・バイアスとメディア;ストレスへの気づきと検証)
第3章 どんな性格の人がうつ病になりやすいか(なぜ新型うつ病が注目されるのか;うつ病と性格;テレンバッハとメランコリー親和型;どんな性格の人がうつ病になりやすいのか;なぜ日本ではメランコリー親和型が受け入れられたのか;撃つ病と性格と日本人論)
第4章 うつ病の診断基準とは(1980年代以前|ドイツ精神医学の時代―心理的な抑うつは病気ではない;1980年代以降|DSM‐3の誕生―定義は棚上げに;DSMの問題点とは;DSMに固有の問題点)
第5章 薬の適切な用量はどうやって決めるのか(用量依存性とは;効果の用量依存性;副作用の用量依存性;どのくらいの投与量が適切か;多剤大量処方に陥りやすい考え方)

著者等紹介

冨高辰一郎[トミタカシンイチロウ]
1963年大分県生まれ。1988年九州大学医学部卒業。東京女子医科大学病院精神科講師を経て、現在、パナソニック健康保険組合健康管理センターメンタルヘルス科東京担当部長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Miyoshi Hirotaka

19
センセーショナルで悪い情報ほどよく売れるし、説明し易い。「不景気が原因で、自殺者数が急増し、3万人を超えた。」これは、わかりやすいが間違い。「元々自殺率の高い日本では、自殺者数は経済や社会情勢の影響を受けやすく、長期的にはここ百年間一定である。」これは、わかりにくいが正しい。その他にも現代はストレス社会であるとか、繊細で几帳面なA型はうつになりやすいとかいう定説があるが、あっさりと腑に落ちる情報は疑ってみるべきだ。ステレオタイプ化したイメージに惹きつけられると自らが望まぬ病気を作り出してしまうことになる。2014/01/19

Risa Shimowada

2
この調査データを分析しての事実探究の姿勢がすばらしい。 ネガティブなことは慣れないし認知しやすいという生物としての特徴は 認識しておくと使える。2014/09/16

清水勇

2
「疑う」ことの重要性を痛感。著者は精神科の医者。精神疾患に関する世の中の常識:「現代は自殺者が多いのか」「ストレスは増えているのか」「うつ病になりやすい人はいるのか」等に「疑問」という楔を打って、我々を誤解の鎖から解放してくれた。データをきちんと分析すると、今の時代、自殺者は減っており、ストレスは軽減しているのにもかかわらず、間違った対策をすることで、自殺幇助やうつ病患者を増やしている現実には衝撃を受けた。「病は気から」という言葉は、我々にとって人に頼らず、自分を客観的に見る訓練の重要性を教えてくれる。2013/12/31

じゅんじゅん

2
「昨年、自殺者が3万人をこえました。」というニュースが毎年流れるたびに自殺者が増加していると勝手に思い込んでいました。総人口が増加+人口構造の変化で標準化した10万人あたりの自殺率で比べると70、80年代とさほど変わっていないことを知りました。言われてみれば尤もな事です。ニュースを疑わず思考停止に陥っていることが、他にもまだあるんじゃないでしょうか?常識を疑うことは大切です。2013/11/07

INO

2
日本の自殺者は減少傾向にある、生活が改善してもストレスは減らない、うつ病に詳しくなればなるほどうつ病になる…!?。論文やデータを使って「常識」を検証する、目からウロコの本。特に印象的なのはネガティビィティ・バイアス。暗いニュースが入るほど気分が暗くなってくる。自殺率もうつ病も、改善のために必要なのは「未来はそんな悪くないよ」というメッセージだと気づかされる。2013/10/25

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