内容説明
うつ病に励ましはタブーなのか?精神科の治療に薬は必須なのか?精神科臨床の常識をくつがえす。
目次
激励禁忌神話の終焉
仕事こそ「諸悪の根源」か
うつ病の反逆―「ふざけやがって、この野郎!」
ストーリを読むか、猥雑性を避けるか
スポーツとしての精神科臨床
超短時間精神療法の経済倫理
精神科医は薬のソムリエにあらず
薬に依存しない治療
リストカットの臨床
接遇に慎重な配慮を要する人々
危機管理と精神科医
旅立つ人に何を語るか
こころのジェネラリスト
宮本忠雄への手紙
著者等紹介
井原裕[イハラヒロシ]
1962年神奈川県鎌倉市生まれ。1987年東北大学医学部卒業。1994年自治医科大学大学院修了、医学博士。2001年ケンブリッジ大学大学院博士号修得。順天堂大学医学部精神科准教授等を経て、獨協医科大学越谷病院こころの診療科教授。専門は司法精神医学、精神病理・精神療法学等(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
日曜読書人
5
『こころの科学』の連載を中心とした論考集。表題のもの以外にも、興味ある話が満載でした。2018/05/09
ポカホンタス
4
総合病院精神科からの挑発の書。大胆な開き直りと問題提起に満ちていて、面白く読めた。ただ、文章が過激で、センセーショナリズムに偏るところが惜しい気がした。過激な表現をよけて読むと、けっこういいこと書いているのに。2010/03/22
ひろか
4
他の方も指摘しているが、タイトルがわかりにくい。現代のうつの問題について的確に知ることができる。途中ではやや極端な内容だなと読み進めていると、後半にはレインが登場する。なるほど。2010/02/23
のほほん堂
3
例えばうつ病に激励を禁止しているのは日本だけ。海外は違う。激励が禁忌なのはうつ病のメランコリー親和型の治療導入期(急性期)に限る。/診察時間は5分からせいぜい10分。/うつ病は放っておいても100%治る病気。/近年増えたといわれるうつ病は…(かっては)けっして「うつ病」とは呼ばないタイプばかり。ほとんどが、以前「ノイローゼ」とか「神経症性抑うつ」とか「反応性の抑うつ状態」と呼ばれていた人たち。「こういう人たちをうつ病と誤診しないように」。2018/02/21
shiorist
3
基本的にとっても正論。ただし暑苦しい。こんな上司いたらウザくてかなわない。2010/05/07