こころの科学叢書
子どものための小さな援助論

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  • サイズ B6判/ページ数 213p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784535804210
  • NDC分類 493.937
  • Cコード C3011

内容説明

子どもをめぐる「援助」の本質とは。「援助する・される」「援助と主体性」「自由と不自由の関係」など、援助の本質を深く掘り下げながら、発達障害、不登校、ひきこもり、摂食障害などへの専門的援助のあり方に新たな考察を加えた、小さな援助論。

目次

「小さな援助論」とは
援助の専門化と侵襲
心理的援助の専門化について
総体としての援助を考える
臨床家の仕事と専門的援助
児童精神科臨床―発達障害の援助を考える(1)
児童精神科臨床―発達障害の援助を考える(2)
児童精神科臨床―発達障害の援助を考える(3)
社会参加をめぐって―不登校やひきこもりへの援助(1)
何に対して援助するのか―不登校やひきこもりへの援助(2)〔ほか〕

著者等紹介

鈴木啓嗣[スズキヒロシ]
1957年大阪生まれ。1983年3月、岡山大学医学部医学科卒業。同年6月~1985年5月まで大阪赤十字病院精神神経科研修医(児童外来担当)、同年6月より2000年2月まで岡山大学医学部附属病院神経精神科勤務(思春期外来担当)、同年3月より2004年2月まで兵庫教育大学学校教育学部教育臨床講座教授。2004年4月、すずき心療クリニック開院(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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fonfon

6
専門的な援助は自然発生的な人間関係として不自然である、というのが著者の基本的態度であり、専門的援助は「症状」を打ち消すことだけを目標としてはならず、子供たちのそれぞれの人生を肯定的にみつめ、ともに人生の旅路を楽しめるように、というのが著者の願い。治療関係を社会関係からみなおそう、社会的サポートとはどのようにあるべきか、も探っておられる。「障害とはその時々の社会が規定してきた」という、爆問学問での福島智の言葉を思い出した。子どもにむきあう(治療者、家族だけでない)大人の「態度」を探った立派なお仕事と思う。2011/08/22

水菜

3
援助とは何か、という根本的なことを考える本。技法も大事だけどこういう根っこの部分も大事だよなー。2015/10/04

くままー

2
支援や援助を行う時、その援助を受ける側の視点に立てる援助者はどれだけいるのだろうか。著者は真摯にその問いを受け止め、臨床に向かい合っている人らしい。行間や使用されることばの一つ一つから、自身が向かい合って来た患者さんへの謙虚な姿勢が伝わって来た。また援助が総体であつという視点を持つ精神科医がいまなお現場におられることに非常に勇気をもらった。同時に私の師匠に言われた臨床ぼ神様は日常にいるのだという言葉が思い出され、もう一度初心に返ってみようと思わせてくれたそんな一冊。2011/07/28

Asakura Arata

1
援助される人の立場に立って、援助行動をするという事だと思う。当たり前の事だが、実際は難しい。2011/08/31

たかたか

1
ページ数は少ないもののかなりハイカロリーな本だった。そもそも援助とは何か。日常生活において生まれている援助を考え合わせると、目の前のクライアントだけではなく、その周りにも注目しなければ、本当に本人が必要な援助にならない。そうすると家族支援や社会学的な視点(=今の社会の側の問題・認識の誤り)も重要になってくる。そうすると、心理学・精神医学一辺倒で勉強していてもだめだな、と思わされた。2018/04/04

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