出版社内容情報
紐の絡まり具合という明快な研究対象でありながら奥が深く、数学の周辺分野とも結びつきがある「結び目理論」の圏論化を紹介。
第1部 圏論化への道標----結び目を出発点に
第1章 旅立つ前に
1.1 本書の見取り図
1.2 本書の読み方----数学の2通りの勉強法
第2章 旅を楽しむための1週間----やわらかい数学と1本のひも
2.1 集合と結び目に慣れる2日間(1日目)
2.2 集合と結び目に慣れる2日間(2日目)
2.3 ホモロジーに親しむ5日間(1日目:ホモロジーとは)
2.4 ホモロジーに親しむ5日間(2日目:三角形のホモロジー計算)
2.5 ホモロジーに親しむ5日間(3日目:球面とトーラスのホモロジー計算)
2.6 ホモロジーに親しむ5日間(4日目:整数係数のホモロジー)
2.7 ホモロジーに親しむ5日間(5日目:コホモロジーとは)
2.8 付録:初学者のために----曲面の展開図の書き方速習法
第3章 ジョーンズ多項式の登場
3.1 1984年の衝撃
3.2 ジョーンズ多項式の定義
第4章 ジョーンズ多項式の分析
4.1 1984年の多項式は一体何だったのか?
4.2 ジョーンズ多項式の分析
4.3 行列からジョーンズ多項式を見てみる
4.4 組み紐群とジョーンズ多項式
第5章 ジョーンズ多項式の圏論化
5.1 2000年の衝撃
5.2 カウフマンブラケットの形の観察1
5.3 カウフマンブラケットの形の観察2
5.4 カウフマンブラケットの圏論化の方法
5.5 整数係数のホモロジーへの拡張方法
5.6 ジョーンズ多項式の圏論化の方法
第6章 圏論化がもたらすもの
6.1 結ばれ方を捉える結び目解消数,種数,そしてミルナー予想
6.2 圏と函手
6.3 共変函手のごく身近な例
6.4 反変函手のごく身近な例
6.5 ホモロジー函手
6.6 ホモロジー函手とミルナー予想の再証明
6.7 結び目からナノワードの圏論へ
第2部 2016年結び目の旅
第2部のはじめに----単行本化の注釈
第7章結び目の影を追いかけて
7.1結び目射影図
7.2ライデマイスターの定理
7.3RIの禁止
7.4RIIIの禁止
7.5RIIの禁止
7.6定理7.1の証明
7.7定理7.2の証明
7.8本章のまとめ
第8章1927年から1937年への旅
8.1記号の定義
8.21927年のライデマイスターの定理
8.3学生さんの質問
8.4回転数がRIIとRIIIで不変であること
8.5平面曲線のRIIとRIIIにおける分類
8.6球面上の結び目の影に対する回転数
8.7本章のまとめ
第9章1937年から1997年への旅
9.11997年までの旅
9.2RI,RIIによる結び目の影の分類定理
9.3定理9.2の証明
9.4命題9.1から定理9.2
9.5命題9.1の証明
9.6 補足
第10章1997年から2015年への旅
10.1 未解決問題へ
10.2 2種類のRIII
10.3 (RI, weak RIII)と(RI, strong RIII)
10.4 コード図
10.5 不変量の導入
10.6 定理10.1の証明
10.7 定理10.2の証明
第11章2015年の旅
11.1 不変量を用いない結び目の影の旅
11.2 復習:RIとstrong RIIIでいつ○にできるのか?
11.3 一般化定理
11.4 定理11.2の証明
11.5 命題11.1の証明
第12章旅の行き着く先
12.1 定理12.1の証明
12.2 まとめ
12.3 第II部全体の参考文献
伊藤 昇[イトウ ノボル]
著・文・その他
内容説明
「世界は結び目でできている」(ケルヴィン卿)その先にあるものとは…「結び目理論」の最新研究。量子化・圏論化について紹介。
目次
第1部 圏論化への道標―結び目を出発点に(旅立つ前に;旅を楽しむための1週間―やわらかい数学と1本のひも;ジョーンズ多項式の登場;ジョーンズ多項式の分析;ジョーンズ多項式の圏論化 ほか)
第2部 2016年結び目の旅(結び目の影を追いかけて;1927年から1937年への旅;1937年から1997年への旅;1997年から2015年への旅;2015年の旅 ほか)
著者等紹介
伊藤昇[イトウノボル]
長野県出身。2010年、早稲田大学基幹理工学研究科数学応用数理専攻修了(博士(理学))。早稲田大学基幹理工学部数学科助手、助教、早稲田大学高等研究所助教、准教授を経て、2016年より、東京大学大学院数理科学研究科特任研究員。専門は位相幾何学(トポロジー)、特に結び目の量子トポロジーとそれらの圏論化、およびトポロジーにおける逆問題(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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