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私はフェルメール―20世紀最大の贋作事件

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  • サイズ B6判/ページ数 326p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784270002346
  • NDC分類 706.7
  • Cコード C0070

内容説明

ナチスに協力した売国奴か、一泡吹かせたヒーローか。歴史上最も有名な贋作者の一人となったファン・メーヘレンの栄光と挫折の生涯が、膨大な資料を踏まえ、スピードとスリルに満ちた文体で甦る。

目次

プロローグ 一九四五年七月七日アムステルダム
贋作者の若き芸術家としての日々(ライオンの調教師;絵画の錬金術;デルフト眺望;並外れた完璧さが落とす暗い影;飲み友だち;慎重に敵を選ぶ)
再生を企てる男(贋作者の芸術;天然ウルトラマリンの値段;すばらしいピカソ作品;プラスチック・ヴァーチュ;その浮浪者はキリストだった;鑑定という難問;最も愚かな、悪意に満ちたレース;美術館の守衛との口論;低俗な習癖/実収入;徒党を組むばか者ども)
思いがけなく英雄に(究極の選択;ちょっとずれた栄光;どうにでもなる調停)
エピローグ ロンドン二〇〇四年七月七日
補遺

著者等紹介

ウイン,フランク[ウイン,フランク][Wynne,Frank]
1960年アイルランド生まれ。ジャーナリストであるとともに、受賞歴を誇る翻訳家。『アイリッシュ・タイムズ』、『インディペンデント』、『メロディー・メイカー』、『タイム・アウト』、『アティチュード』などの新聞、雑誌などに寄稿している。現在はロンドンを拠点にして活躍中

小林頼子[コバヤシヨリコ]
1948年生まれ。目白大学社会学部メディア表現学科教授。著書に『フェルメール論』、『フェルメールの世界』(この二著で第10回吉田秀和賞受賞)ほか

池田みゆき[イケダミユキ]
1972年生まれ。1976‐1986年オランダで初等・中等教育を受ける。1995年上智大学外国語学部ドイツ語学科卒業。現在、外資系コンサルティング会社に勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こきよ

75
描いた本人さえも自分の作品と言い切れる様な贋作がある事にまず驚く。そして多くの贋作が画集や美術館に真作として公開されているであろうことにも。良くも悪くも模倣(学び)の積み重ねの上に成り立つ人間という生き物を鑑みるに、贋作者が人類の2番目に古い職業というのも強ち間違いでもあるまい。2015/10/03

ロドリゲス

27
今年の10月より上野でフェルメール展が開かれるとの事で読んでみました。美術史上最も有名なフェルメールの贋作者である"ハン・ファン・メーヘレン"の栄光と挫折の生涯が描かれています。 額の素材からキャンバス、そして顔料等々、まるで科学者の如く贋作に没頭します。贋作品が美術館に飾られてしまうとそれは真作となります。そしてそのままフェルメールの作品になってしまう。メーヘレンは贋作を売ってお金が欲しいのではなく、自分がフェルメールであると思いこんでいました。まさに狂気の沙汰です。 ★★★★☆ 2018/07/16

ビイーン

22
贋作といえども様々な研究と工夫を凝らされていた。そしてハンが老いた批評家の虚栄心さえも利用してしまう狡猾さには舌を巻く。これは単に作品を生み出すよりもある意味とても時間と手間がかかるに違いない。ここまでくると贋作というよりは、芸術作品ではないかと思ってしまう。2016/12/18

フク

17
#読了 贋作事件メーヘレン事件の中心人物、ハン・ファン・メーヘレンを描く。 フェルメールの作品を再現するべく研究する姿勢はとても真似できない。専門家を騙す戦術も見事。 才能も情熱もあるのに屈折してしまったのが勿体ない。 闘鶏〈ケンファーン〉がどうしてもケンプファーに空目する。 図書館2022/07/30

Nobu A

14
成毛眞推薦本其の捌。フェルメール贋作事件を扱った本は多数。福岡ハカセ推薦本にも関連本があったはず。「真実は小説より奇なり」を地で行く。頁を捲る手が止まらなかった。主人公、贋作者の画商とのやり取り等、筆者の脚色も若干あるのだろうが、何が起こっていたのかを如実に再現している点は読み応え十分、いや十二分。巻頭のカラー絵画写真や巻末のあとがきも親切であり秀逸。「疑うこと、それが美術界にハン・ファン・メーヘレンが残した重要な遺産である」が心に響く。稀に美術展に足を運ぶにわか美術ファンだが、本格的に学びたくなった。2022/12/21

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