内容説明
最先端の数論を創る人々をめぐる旅。2010年フィールズ賞“量子エルゴード性”も解説。
目次
第1部 素数はどれだけたくさんあるか(素数が無数にたくさんあること;大きな無限大と小さな無限大)
第2部 ゼータ入門(そしてゼータへ;ディリクレのL関数;ラマヌジャンのL関数;ラマヌジャンのL関数;ラマヌジャン予想;関数等式とゼータの正規化;マース波動形式;高校生のための素数定理;リンデレーフ予想と近似関数等式;セルバーグ・ゼータ関数)
第3部 数論的量子カオス(保型形式の存在理論;数論的量子カオスの概要;量子エルゴード性;ランダム行列理論)
著者等紹介
小山信也[コヤマシンヤ]
1962年新潟県に生まれる。1986年東京大学理学部数学科を卒業。1988年東京工業大学大学院理工学研究科修士課程を修了。その後、プリンストン大学客員研究員、慶應義塾大学助教授、ケンブリッジ大学ニュートン数理科学研究所所員、梨花女子大学客員教授などを経て、現在、東洋大学理工学部教授。専門は整数論・ゼータ関数論・量子カオス。理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やす
8
半分再読。最初は小学生に素数が無限にあることを教える話だったのに半分で高校生のための素数定理。しかも扱う内容はリーマンの成果をその後の発展で整理したもの。内容は級数、リーマンゼータのオイラー積、L関数の係数の乗法性と漸化式。L関数の係数の収束性=L関数の特異点の実根は一定(リーマン予想)。これらの証明のための保型形式の導入とSL(2,R)による表現。L関数の関数等式。係数変換による関数等式の簡略化。ここまでが素数定理の準備。2025/01/20
やす
3
「21世紀の新しい数学」読了記念、斜め読み読了。ラマヌジャンのL関数というのが両著共通で出てくるけど、こちらはちゃんと数式が出ている。そしてかろうじてその凄さが感じられるのだか、その後は意識がとんだ。2013/09/29
BIN
2
「リーマン予想のこれまでとこれから」の次に読むと良いかもしれない(よく引用しているので)。ラマヌジャンのゼータ関数まではあまり苦もなく読めて、非常にわかりやすかった。というかラマヌジャンの発想が凄まじく、確かに天才だと感じられた。ただ、中盤以降、解析接続とか置換とかその辺が出てくると、もう諦め状態で、数式はスルーしてしまった。参考書片手に腰を据えてじっくり読むべき本です。そんな時間が欲しいな。2014/08/04