内容説明
宇宙を満たすマイナス270℃の光の海(3K宇宙マイクロ波背景放射=CMB)の存在は、「ビッグバン宇宙モデルの証し」という位置づけしかなかったが、その後の研究に伴い、CMBはすこぶる“雄弁”であることが明らかになってきた。その最初の成果が、1990年代の探査機COBEによってなされ、その20倍強もの高い解像度で観測してきた探査機WMAPは、21世紀最初の10年の宇宙論最大の功労者である。本書は、COBEからWMAP開発にいたる道筋を、ウィルキンソン、ベネットおよび気鋭の理論物理学者、スパーゲルといったリーダーたちの肉声と周囲の証言をとおして、いきいきと描き出す。
目次
第1章 宇宙のどこかがおかしいんだろうか?
第2章 宇宙論の誕生
第3章 マイクロ波のささやき
第4章 不和
第5章 いま、宇宙は?
第6章 チーム編成
第7章 衛星のデザイン
第8章 開発
第9章 競馬
第10章 打ち上げ
第11章 深まるミステリー
第12章 解答
著者等紹介
レモニック,マイケル・D.[レモニック,マイケルD.][Lemonick,Michael D.]
『タイム』誌科学記者。科学分野全般にわたり執筆を行う。『タイム』誌の記事で全米科学普及協会・ウェスティングハウス科学記事賞を2度受賞。また、『ディスカバー』誌、『プレイボーイ』誌などにも寄稿する
木幡〓士[コワタタケオ]
1943年、福島県に生まれる。東北大学大学院理学研究科博士課程単位取得中退。外資系出版社勤務ののち独立。科学ジャーナリスト、科学ライター。工学院大学および文教大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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