出版社内容情報
天皇の意思と行動を宰領し、戦争という未曾有の危機の到来を待って宮中の最側近が周到に画策した「革命」と、その戦後への影響。
内容説明
近代公権力=主権のデモーニッシュな再生力。昭和天皇の退位をも視野に入れ、国家総力戦という未曽有の危機を逆手にとって大日本帝国憲法体制の刷新を構想した内大臣木戸幸一の才略。「天皇の意思」と「聖断」を策出し活用することによって遂げられた彼の「戦争革命」の真相とその戦後への波及を描破する。
目次
近代天皇制の前提とその制度化―権力はいかにその「実行力」を構成してきたのか
第1部 戦争の利用と「錦旗革命」(日米開戦と天皇制;権力「革命」構想としての終戦工作の起動;終戦工作の本格化;ポツダム宣言受諾と「錦旗革命」の奏功)
第2部 「錦旗革命」の投影と戦後日本(敗戦後における「錦旗革命」の呪縛;新憲法構想における天皇制の再利用;日本国憲法の初期設定における内閣と天皇;政権の民主化をめぐる確執と国家公務員制度)
敗戦後における「戦争革命」の変奏と民主化の屈曲
著者等紹介
小関素明[オゼキモトアキ]
1962年生まれ。立命館大学大学院博士後期課程単位取得退学。国立歴史民俗博物館歴史研究部助手、立命館大学文学部日本史学専攻助教授を経て、立命館大学文学部日本史研究学域教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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