目次
第1章 アートの街のジェミノイド
第2章 ジェミノイドを作ってわかったこと―人々の疑問に答える
第3章 人間らしさを作り出す
第4章 人間以上のロボット、最低限の人間
第5章 社会を変えるロボット・メディア
第6章 「私」は人か、ロボットか
第7章 作ることと生きること
第8章 融け合う芸術と技術
著者等紹介
石黒浩[イシグロヒロシ]
1963年、滋賀県生まれ。大阪大学大学院基礎工学研究科システム創成専攻教授、ATR社会メディア総合研究所石黒浩特別研究室室長。人間酷似型ロボット研究の第一人者。工学的な研究だけにとどまらず、アートやメディアの分野にまで幅広く活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅん
16
ロボット、アンドロイド製作を通じて、石黒浩は人を人たらしめるものの不確かさに気付いていく。心だと思ったいるものは、身体の内側にあるものではなく、わたしとあなたの間に存在するものかもしれない。それならば、アンドロイドにも人間と同じように心が宿ると考えてもおかしくない。メリメの「人間機械論」を地でいく研究報告。「人間を理解するロボット研究こそが、全ての学問の中心にあるべきものだ」という言葉もあながち誇張ではない思えてくる。操作しているロボットに触れられると自分が触れられた感覚を覚えるという話が印象的。2017/10/19
em
12
人型アンドロイドにはどうも興味が持てなかったのですが、それがなぜかわかりました。人間型にこだわる理由は無邪気な好奇心であろうと勝手に想像していたから。あと、もはや教授自身が「不気味の谷」の狭間にいる者に見えて…。石黒教授が知りたいのは、人間の存在とは何か、人間らしさとはどこにあるのか。そしてルネサンス人のように哲学や芸術など、他分野との境をまたごうとしている。そう知ると興味が沸いてきました。そして「最低限の人間型ロボット」はどこか、頭と羽だけの古い天使絵を思わせます。2017/05/27
ないとう
12
ロボットは技術の舞台から芸術の舞台へと進んだ。人間そっくりのロボットは、芸術と同じぐらい人の心に影響を与える力を持っている。もしかしたら本物の人間よりも。ロボット技術が進むにつれて人間そのものの美しさが垣間見えてくる気がした。2015/08/27
yori
8
★★★★☆ 自分そっくりのロボットを作った変わり者の研究者の本か〜と思いながら読み始めたのだが、かなり考えさせられる視点を貰った。ジェノミド、アンドロイド、ヒューマノイド、言い方は色々有りますが、これらのロボットを見た時に大抵何かしらの違和感を抱く。この違和感の源が猛烈に気になったのだ。そっくりなのに、何かがちょっと違う時に感じる気持ちの悪さ。金属の骨組みだけで出来たロボットとは明らかに違うナニカ。2013/04/29
ビリー
6
これを読む前に、映画『サロゲート』は絶対に観ておくべき。余裕があれば『アンドリューNDR114』とか『アイ ロボット』とかも観ておくとより楽しめると思う。鉄腕アトムをはじめとする人型ロボットに対する研究者のロマン、日本が牽引してきた技術への誇り、そしてそれが現在どこまで進んでいるのかという現状について肌で感じることができる。最近の技術の進歩に対しては期待だけでなく恐怖も感じてしまうが、目を背け続けるわけにはいかない時代もすぐそこに来てるだろう。2013/05/23