内容説明
本書は3部から成る。第1部は分析編となっており、95年以降始まったわが国自治体の経営改革と行政評価を分析。とくに行政評価が三重県庁などの経営改革とどういう補完関係にあるのかを検証した。また行政評価の3つのモデルを述べる。これは、A型(査定管理)、B型(TQM)、C型(住民コミュニケーション)の各モデルである。第2部では3つのモデルについて、問題点、発展可能性、改善課題を分析。ここでは公式には「行政評価」と命名されていないもの、また中央省庁の例もみた。第3部は行政評価による経営改革の理論を整理した。まずは3つのモデルの最終進化形態(D型:ニュー・パブリック・ガバナンス・モデル)を提示。そして最終章では行政評価を機械論モデルで解析し、それが近代官僚制と代議制民主主義の限界を超える経営改革に導く可能性を示した。
目次
第1部 分析編 行政評価とニュー・パブリック・マネジメント―進化モデルによる解析(行政評価の自治体への普及メカニズム―抜本改革への動機と新手法への関心;NPMと行政評価の進化モデル;事例分析―三重県庁に見る行政評価とNPMの進化の軌跡)
第2部 問題提起編 行政評価から経営改革へ―進化の可能性と課題(A型(査定管理)モデルの可能性と限界
B型(TQM)モデルの発展可能性
C型(住民コミュニケーション)モデルの発展可能性)
第3部 理論構築編 行政評価の本質と課題―近代官僚制を超えて(あるべき姿を求めて―D型:ニュー・パブリック・ガバナンス・モデル;行政評価と科学革命)
著者等紹介
上山信一[ウエヤマシンイチ]
米国ジョージタウン大学研究教授。大阪市出身。運輸省、外務省、マッキンゼー共同経営者を経て現職。専門は企業の構造改革、行政改革。企業の社外取締役、顧問、中央省庁・自治体等の各種委員を務める(国土交通省および総務省の政策評価会委員等)。米国行政学会の行政運営センターと東京財団のシニアリサーチフェローを兼務。行政経営フォーラム代表。プリンストン大学大学院(公共経営学)修士卒
伊関友伸[イセキトモトシ]
埼玉県庁健康福祉部社会福祉課主査。埼玉県庁入庁後、県民総務課、川越土木事務所、計画調整課、県立病院課などを経て現職。埼玉県北埼玉郡大利根町の企画財政課長を歴任。「童謡のふる里おおとね」のまちづくりコンセプトを提案し立ち上げる。現在、童謡のふる里おおとね大使。行政経営に関して、城西大学など大学の教壇にも立つ。さいたま市立芝原小学校PTA会長、行政経営フォーラム運営委員・自治体学会会員。東京大学大学院(行政学専攻)修士卒
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