内容説明
本書の1から4までは、100年以上の歴史を誇るハワイの日系社会という特定地域の変動を、一世から三世までの、日系社会のリーダーたちの適応ストラテジーや社会的志向に焦点を絞って分析したものである。5から7では、今日の日本におけるエスニック集団がテーマである。まず、日本におけるエスニシティとメディアにかんする研究の系譜を概観する。つぎに、世界的な人的移動の波によって急増した在日外国人と、それがつくりだすメディアの実態をさぐる。最後に、グローバリゼーションのなかで進行するローカリゼーションの実態を、エスニック・メディアやグローバル企業の馴化戦略(対象社会の文化に馴染ませる方策)をとおして検討する。
目次
1 協調か抵抗か―抑圧下の一世リーダーのストラテジー
2 危機場面における選択―日米戦争下の二世の米化運動
3 戦時下二世リーダーの役割―チェンジ・エージェント研究ノート
4 エスニック文化主義をめざして―オキナワンの覚醒運動
5 「エスニシティとメディア」―日本における研究の系譜
6 在日エスニック・メディアの現在
7 グローバリゼーションと文化変容