内容説明
アルコホリズムにつきまとう独特のスティグマ、「回復」と呼ばれるアイデンティティの再構成、これらは近代社会による強迫の反映に他ならない。アルコホリズム臨床から近代を衝く野心作。
目次
序章 アルコホリズムへの社会学的接近
第1章 アルコホリズムとスティグマ
第2章 アルコホリズムの医療化
第3章 家族療法としての断酒会とAA
第4章 セルフヘルプ・グループの機能
第5章 セルフヘルプ・グループの原点:AA
第6章 集団精神療法
第7章 集団精神療法の微視社会学
第8章 地域ケアとネットワーク・セラピー
第9章 共依存の社会学
第10章 アディクションと近代
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
51
【人はなぜ飲まずにいられないのか。その手がかりを近代社会における個人のありように求める】序章の題が、「アルコホリズムへの社会学的接近」。第1章では、アルコホリズムに付着するスティグマの成り立ちを問う。第2章は、アルコホリズムの医療化の過程を米国での歴史的展開に基づき検討。第3~5章では、セルフヘルプ・グループを。第6~8章では、集団精神療法と地域ネットワークに関するもの。第9~10章では、「共依存」と「アディクション」という2つの注目される概念が、近代社会の成り立ちという大きな枠組みのなかで論じられる。⇒2023/05/26
コジターレ
9
約20年ぶりの再読。発売から30年弱を経て、先日文庫化されたようだが、それも頷ける色褪せない濃い内容だった。アルコール依存症、自助グループ、集団精神療法などを、臨床社会学の切り口で紐解いた本としては、最高傑作ではないだろうか。アルコール臨床に携わっていた頃、「ネットワークでセラピーする」のではなく「ネットワークをセラピーする」という視点が目から鱗で感激し、その後の援助の指針になったことを昨日のことのように思い出す。2024/12/29
金平糖
3
C。2024/12/06
コジターレ
2
読メ登録前に読了。アルコール依存症の集団精神療法や自助グループにおける「語り」について書いている本の中では最高傑作。アルコール依存症関連の本の中で一番多く読んだ本。
-
- 電子書籍
- もらって ダーリン