内容説明
大商業都市・大阪を舞台にして生起するさまざまな法律問題に苦悩する庶民と、その適切な解決のために奔走している司法書士との人情味あふれるかかわりを描き出す。法制度のなかでどのような役割を果たし機能すべきか、法と現実との狭間のなかで苦闘する司法書士職務の現在をレポートし、そのあり方を問題提起する異色のドキュメンタリー。
目次
所有者が知らない間に移転登記―売買と登記
ある日の受託拒否の波紋―登記と行政規制
２つの持分登記の顛末―区分所有（建物）と敷地権
印鑑証明書とサイン証明書―不正登記の実態
開封された遺言書―相続・遺贈・贈与等無償による所有権移転
不思議の国の公図―登記と公図
疑問は春風に乗って―不動産登記と税金
優先予約席への招待―仮登記の現状
届かなかった権利書―登記済証と保証書
時よ止まれ―融資と担保権の設定
皮相なる整理人―役員改選と議事録
雨のトタン屋根の下の総会―会社買収
大会社との遭遇―会社と顧問
消えた勲章―公益法人と登記
司法弁士かく語りぬ―休眠会社の登記
わが闘争―支払命令
高価な浮気―財産分与
庭つき邸防衛戦―判決と登記
ある師匠の死―特別縁故者
青眼のひらめき―民事調停
ああ無情―司法書士報酬
ＮＯといいつづけた男―審査請求
ある妻の死―渉外相続登記
長屋のひとびと―供託
むすび 司法書士職務の展望
