内容説明
エイズに関する優れた本が、数多く出回っているのに、何故、また新しくエイズの本かと疑問に思われるかもしれない。しかしこの本は、今までのとは全く違う、エイズの社会心理・文化的な面からの最初の本である。しかも、この方面の研究における方法論的な開拓をねらって、人類学、社会学、心理学、社会心理学、精神医学、社会福祉事業、公衆衛生、看護と多方面にわたるエイズ研究者たちによる15の未発表の原著論文を集めたものである。
目次
序(ダグラス・A・フェルドマン;トーマス・M・ジョンソン)
第1章 エイズ関連調査の方法論的問題点(キャロライン・シーゲル;ローリー・J・ボーマン)
第2章 方法論の応用―エイズ調査研究の主要な問題点と機会(ジェーン・ジック;リディア・ディモショク)
第3章 行動・感染および免疫応答―疫学的アプローチ(ロビン・フラム;ゼーナ・スタイン)
第4章 エイズハイチ起源説の論拠(アレキサンダー・ムーア;ロナルド・D・ルバロン)
第5章 エイズの社会的起源―社会変化、性行動、疾病傾向(ウィリアム・W・ダロウ;E・マイケル・ゴーマン;ブラッド・P・グリック)
第6章 エイズと麻薬静注者の下位文化(ドン・C・デス・ジャーレス;サミュエル・R・フリードマン;デイヴィツド・ストラッグ)
第7章 ゲイのライフスタイルの変化とエイズ―予防的ヘルスケア(ジョセフ・A・コターバ;ノリス・G・ラング)
第8章 エイズの健康教育と臨床応用人類学(ダグラス・A・フェルドマン)
第9章 病気と逸脱―マスコミのエイズ報道(エドワード・アルバート)
第10章 報道機関におけるエイズ像―ニューヨーク・タイムズの記事の分析(アンドレア・ベイカー)
第11章 エイズ―心理社会的な見地から(ヴァージニア・キャスパー)
第12章 エイズの説明モデル(ダイアン・ボロニョン;トーマス・M・ジョンソン)
第13章 エイズの恐怖と血液供給に及ぼす影響(ピーター・M・カレロ;デイビッド・V・ベーカー;ジーネット・カーペンター;ジェーン・マガリガル)
第14章 エイズの恐怖に対するホスピス職員の反応(サリー・ゲイス;ルース・フラー)
第15章 感染抑制におけるイデオロギーと政治―エイズ治療の社会組織(ロバータ・レッサー;カタリン・ジューリッチ)
結語(ダグラス・A・フェルドマン;トーマス・M・ジョンソン)