出版社内容情報
子どもは大人とは異なる存在、いわば“宇宙人”である――。その独自の認知特性や道徳観、思考様式を、発達科学の視点で読み解く。
内容説明
大人より子どものほうが論理的!?子どもは人間と犬を平等に扱う!?最新の研究を通してみえてくる、大人とは異なる存在としての子どものすがた。
目次
大人とは異なる子ども
子どもと“科学者”
子どもは芸術家
子どもがもつ空想の友だち
子どもの想像と知覚
子どもの嘘
子どもの注意・大人の注意
子どもは人間と犬を平等に扱う
マシュマロテストと子どもの環境
子どもの色知覚
子どものメタ認知
子どもの推論
子どもの言葉と大人の言葉
「自分」に気づくとき
子どもはどんな世界を生きているのか
著者等紹介
森口佑介[モリグチユウスケ]
京都大学大学院文学研究科准教授。京都大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。専門は発達心理学・発達認知神経科学。子どもを対象に、認知、社会性、脳の発達を研究する傍ら、大阪府の家庭支援事業にも携わる。子どもにかかわる仕事をしている人への講演等を通じて、子どもの発達に関する知見を広く発信している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぬっち
1
子どもには子どもの時期の大切な貴重な偉大な能力がある。 子どもが成長するに伴い、自分との違いが少なくなっているように感じ、面白さを失っていくように感じていたのはこれかもしれないと思った。 子どもには子どもの時期の能力があり、それを思いっきり謳歌してもらいたいと思った。2023/09/28
maya
0
さまざまな淘汰圧は個体発生のどの時点にもかかりうるものであり、子どもが備えるいくつかの特徴は、大人になってからではなく、その時点に適応するように進化してきた。つまり、乳児期であれ、幼児期であれ、児童期であれ、青年期であれ、発達のそれぞれの時点にかかる淘汰圧があり、子どもはそれぞれの発達期に必要とされる特徴や能力を備えているということである。 メタ認知能力が低いという特徴は子どもにとってきわめて重要。自身の能力を過信し、自尊心を持つことで、子どもはさまざまな活動に無謀なほど挑戦できる。2024/08/07
やわらか
0
子供はイマジナリーフレンドを視知覚しているのではないかという研究が興味深かった。色の見方が違うというのは素朴理論的には納得。子供は大人と全く違う見方をしている、質的に違うというのは感覚的にわかるけど研究としては今までされてこなかったのかな。子供の方が外因的だからこそいろんな情報に気づくというのは面白かった。2023/08/12