出版社内容情報
子どもたちが悩んでいるのは病気や症状ではない。思春期外来で漏らす言葉から見える、誰にも打ち明けられなかった本当の困りごと。
内容説明
「根拠もないのに、君ならできる、なんていわないで」苦しんでいる子どもたちが漏らすありのままの言葉に耳を傾ける。精神科医が心に刻んだ思春期のつぶやき。
目次
1 つらさを抱えていても成長できる
2 生きのびるための知恵
3 偶然の力と子どもたちの気づき
4 大人にない発想
5 お父さん、お母さん、私をもっと見て
6 一生懸命な母親の落とし穴
7 学校をめぐって
8 趣味があること
9 恋愛は大変だ
10 子どもたちの言葉のひらめき
著者等紹介
武井明[タケイアキラ]
市立旭川病院精神科診療部長。1960年北海道倶知安町生まれ。旭川医科大学大学院修了。同大学保健管理センター講師を経て、現職。医学博士。2009年、日本箱庭療法学会河合隼雄賞受賞。専門は臨床精神医学全般であるが、とくに思春期の子どもたちの診療に力を注いでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のえる
32
図書館本。 精神科を受診する子どもたちのビミョーな本音を集約した本書。 発達障害と定型発達症候群…いざ言葉で説明されると長短が両極端である。 クラスや部活という社会で上手くコミュニケーションするためにも人間関係の悩みには簡単にあしらわないでとのこと。また、ありのままを受け入れ褒めること、子どもの考えも聞きつつ折り合いをつけること、スマホネグレクトには注意。父親の登場も大切。家庭円満。…言葉で言うのは簡単だけど(汗 年齢問わず頑張っている人にはGOOD LUCK!と言えるようになりたい。 ★★☆☆☆2021/03/16
yasu
1
色んな人間がいる。困っている内容が似てても対処法は様々。当人はもちろん、家族や周りの人も困っている。ここまで来た多くの人の落とし処は、とにかく健康で社会と馴染めるか、だろうか。たまらない。2021/07/30
ryou
1
不登校やからだの不調の原因はそれぞれ異なり、型にはまらないものだということ。自分でも気づいていないことが原因だったり、ちょっとしたきっかけで問題が解消されたりすることもあるとわかる。とにかく、話を聞いてあげること、こちらの意見を押し付けない、そして、信頼してもらえないことには始まらないなと思った。 あと、誤植がとても多いのが気になった。2021/01/17
乱読家 護る会支持!
1
うん、これって、お医者さんと患者さんで「当事者研究」をしているんですね。 親や友達、学校の先生などから押し付けられた「生き方」を脱して、自分なりの生き方を研究して、見つけ出す。 外在化はしても、他者のせいにはしない。 精神科医もカウンセラーも、●●療法、●●セラピーなどの技法にこだわらずに、「当事者研究」を軸においた治療(治療という言葉がすでにあかんかもしれないけど)法なり、患者への関わり方を研究して欲しいなぁと思いました。 というか、技法に拘っている段階で、すでに治療者としてはあかんのかも、、、、2020/06/12
ゆうぴょん
0
これから思春期に(もう反抗期は差し掛かりすぎだけど)さしかかる娘のことも考えて読むと非常に考えさせられる。 親の思うようにはいかないもの、というのは己を振り返れば変わることだけど…。いずれにせよ、子供にとって絶対的に安心できる居場所があることは大切なんだなぁ。それが自宅なら一番いいんだけど、それ以外でもあればそれほどいいことはないなと思う2023/08/12