内容説明
「正解」のない問いに「答え」を出す!思考のワナを脱けだし、だれもが「なぁるほど!」と思える道を見つけるために。
目次
第1章 「一般化のワナ」と「問い方のマジック」(落とし穴その1:一般化のワナ;落とし穴その2:問い方のマジック)
第2章 なんで勉強しなきゃいけないの?(どうして答えが出ないのか?;「答え」を出すにはこう考える;“自由”になる―だれもに共通する「答え」)
第3章 なんで学校に行かなきゃいけないの?(なんで勉強を強制されるの?;学校に行くのは何のため?;学校に必要なこと)
第4章 いじめはなくせるの?(いじめはどうして起こるのか?;いじめのなくし方)
第5章 これから学校はどうなるの?
著者等紹介
苫野一徳[トマノイットク]
1980年生まれ。早稲田大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。日本学術振興会特別研究員(PD)、早稲田大学非常勤講師。専攻は哲学・教育学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tokotoko
53
図書館でこのタイトルを見て、ぐぐっ・・・!とつまる自分がいたため、借りてきて読みました。勉強以外にも、学校とは?友達とは?といったお題にも、ある考え方を提示してくれています。「学校って何やったんやろう?」と思われている大人の方、「学校、いややー!」と思われている学生さん達は、一度、読んでみませんか?お説教とか上から目線とかじゃなくて、「こんな風に考えてみるのはどう?」って言ってくれます。私は、今の謎だけでなく、長年心の片隅で抱いていた疑問にも、すとーんと納得する答えがもらえました。心の友って思いたいです。2017/04/23
コージー
52
★★★☆☆「勉強するのは何のため?」という問いに、シンプルに答える。しかし、シンプル過ぎる答えがゆえに、プロセスは長い。しかもジャケットのイメージとは違い、ニーチェなどの哲学的な思考から答えを導くところは、意外性があり面白かった。まぁ、子どもにも説明できるかな。【印象的な言葉】①正解があると思うから、どん詰まりに行き当たる。②生きる意味に絶対的な正解なんてない。③絶対的な正解ではなく、自分にとっての「正解」を見つけよう。2018/01/27
ニッポニア
48
一度は考える、命題に対し、答えを出す。子育てに悩む全ての人に必要な一冊です。結局、答えは出せなかった。が答えかもしれない。以下メモ。あちらもこちらもできるだけ納得できる、第3のアイデアを考える。まずは自分なりの勉強する意味を考え、見つけ、それを実現できるよう条件を整える。学力とは「学ぶ力」。戦争をなぜ止めることはできないか、自由になりたいという欲望を持つため。学校は、子供たちが自由になれるよう知識、技能を育む。逃げる方法も学ぶため。大人は嫌な人間関係に縛られることなく、いろんな人と付き合うことができる。2023/01/21
トンちゃん
45
【図書館本】中学生・高校生向けの哲学入門書。あとがきには大学生も含まれてたけど、問いかけ方は中高生向きでした。 前半は学生さん向け、後半はどちらかというと親向ないよう(内容は学校に行く必要性、体罰がなくならない理由など)。 1章で学ぶ「一般化のワナ」「問い方のマジック」は日頃から意識していないと、ついつい使ってしまう怖い概念です。自分の経験を一般化してしまう。二者択一にして是非を問う。どちらも実はロジカルでもなんでもないですし、正しい答えを導き出せなくする元凶ともとれます。読みやすいのでお子さんにどうぞ♪2020/04/08
レモン
41
誰もが一度は疑問に思うことで、子どもから聞かれたらどう答えたらいいだろうと思っていたこと。答えではなく納得解が提示されていたが、なるほど納得できた。個人の経験を世間一般論に置き換える「一般化のワナ」と、二者択一でどちらが正しいかを対立させる「問い方のマジック」で語られがちだが、絶対的な正解は存在しないと認めることが大事らしい。自らが自由に生きるため、他者の自由も尊重するために、その子なりの答えを見つけられるよう手助けできたらいいな。読みものとして面白い本だった。2023/12/04