内容説明
非行・児童虐待・DV・殺人・ハラスメント・いじめ―様々な加害行為への司法的処遇、臨床的プログラムから治療法学まで、多層的なアプローチの現状を明らかにする。
目次
第1部 加害者臨床の目的と課題(加害者臨床の目的;加害者臨床の困難性;加害者の被害者性 ほか)
第2部 加害者の理解(非行少年―非行と少年の全体的布置;虐待する親;DV加害者 ほか)
第3部 加害者臨床の展開(法と非行臨床;更生保護制度における加害者への処遇;発達障害のある非行少年への対応 ほか)
著者等紹介
廣井亮一[ヒロイリョウイチ]
立命館大学大学院文学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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コジターレ
6
ハラスメント行為者の箇所を再読。行為者との面談に臨む際に大変参考になる。2022/06/06
コジターレ
6
概論として良書。ハラスメント加害者の箇所を中心に読む。2018/03/19
穀潰し
3
加害者たちのイノセンスをまず第三者が認めると、本人の意識が変わってくる。自分の受けた傷に向き合うことなくして、被害者への共感、贖罪の意識は生まれない。だからこそかれらを加害者として一元的にみるのではなく…なんて言うのは簡単だなあ。掻い摘んで読んだだけでも、こりゃそれぞれに大変な仕事だと思った。「もしかすると、本当の悪やずる賢い犯罪者は、警察、検察、裁判所と言った刑事司法機関の特徴をうまく利用して、刑事司法の網の手をすり抜け、刑務所には来ないのかもしれない」。2014/10/25
エノコログサ
1
放送大学で犯罪心理学を聴講し、治療的司法に興味を持ったので。少年犯罪を始め、児童虐待やDV、いじめ等幅広い犯罪を、保護司やカウンセラー、弁護士など、これまた広い立場の方々が加害者臨床という観点を含みながらそれぞれ論じている。犯罪の厳罰化の声がクローズアップされやすい今日において、再犯を防ぎ被害者への贖罪を促すためには司法や刑務所の治療的観点は必須だけど、加害者の治療への自発性の無さや環境・障害要因、被害者感情、社会の理解etc…罪を憎んで人を憎まずを実行するのは難しい。畑違いの世界だったので興味深い。2020/08/02
Kazuo
1
加害者臨床の現実と課題を総合的に記述。古典的行政システムでは課題に対応できないような気がする。2014/04/17