出版社内容情報
資本主義や市場経済への不信感が高まっている。学界・業界を超えてさまざまな叡智が集結し、資本主義の行方と限界を熱く論じる。
内容説明
格差を埋め尽くすまで運動をやめない資本主義…こうした資本主義の無限運動に対して、今、われわれは「人間」としてどう向き合うのか―。「資本主義の教養学公開講演会」選りすぐりの熱演を紙上で再現。
目次
第1部 資本主義の思想的背景(資本主義と普遍;資本主義は二一世紀でも通用するのか―哲学的考察)
第2部 現代資本主義社会が内包する課題(金融資本主義の基本概念の再考察―ファイナンスの哲学;日本型の資本主義の可能性―渋沢栄一の合本主義を見直す;資本主義はどこへ向かうのか―格差・日本経済・テクノロジー)
第3部 資本主義への新たな人間的アプローチ(脳科学から見えてくる資本主義―自然科学と人文学・社会科学の架橋融合;ゲノム人類学から見た資本主義―“幸運者生存”の法則にもとづくヒトの進化;人工知能の技術進展と資本主義)
第4部 資本主義の行方(資本主義の終焉と歴史の危機―二一世紀の利子率革命が意味するもの;際限のない欲望と資本主義の行方―経済史から見た新しい規範の社会的条件;ポスト資本主義)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hiroki Nishizumi
7
素晴らしい本だ。資本主義への様々な疑問の回答となり得るところもあるが、むしろそれぞれの課題の入口としての役割が大きい印象を受ける。人間が根本として際限のない欲望を持ち、それによる蓄積を行うことが貧富の拡大を招くがゆえに資本主義は自壊していく可能性が高い。しかしわれわれは傍観者ではなく当事者なので資本主義の行く末を見守りつつも同時代の人々の不幸を最小限にするため、出来る限りの努力を行わねばならないと思う。2020/01/01
takao
3
ふむ2024/06/23
Oki
1
情報bitはかなり多い。 確かにポトラッチのようなシステムが何か必要な気はする。 しかし、問題は、強欲を追求する人が少数でも残ったら、 自己規律は無効化するという事か。2024/02/21
Hiroki Nishizumi
1
再読。今回は大澤真幸、安田洋祐、小泉英明の各先生のところに特に感銘を受けた。時期をおいて再読するとまた違うことになるかもしれない。年始に読むにふさわしい内容と深さ、そしてヒントをもらった。2021/01/01
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- 和書
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