社会的選択理論への招待―投票と多数決の科学

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  • サイズ A5判/ページ数 145p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784535557543
  • NDC分類 331.74
  • Cコード C3033

出版社内容情報

多数決には欠陥がある。より適切に人々の意見を集約するルールはあるか。それを探る理論を、改憲論などにも触れながら案内する。

第1章 問題の出発点
1 ボルダルールを巡って
2 コンドルセの考察を巡って

第2章 正しい選択への確率的接近
1 陪審定理
2 開票後に多数派の判断が正しい確率
3 最尤法による「真の順序付け」の探求

第3章 ボルダルールの優越性
1 ボルダルールと他のルール
2 満場一致までの近さ
3 ペア比較における平均得票率の最大化
4 ペア全敗者を選ばない唯一のスコアリングルール

第4章 政治と選択
1 単峰的順序とペア全勝者の存在
2 実証政治理論と中位投票者定理
3 メカニズムデザインと中位ルール
4 ボルダルールについての補足
5 オストロゴルスキーとアンスコムのパラドックス
6 64パーセント多数決と改憲
7 ギバート・サタスウェイト定理

第5章 ペア比較の追求
1 アローの博士論文
2 設定
3 アローの不可能性定理
4 アローの不可能性定理の証明
5 満場一致性を用いない不可能性定理
6 単峰性のもとでの可能性定理

第6章 社会厚生
1 社会厚生基準
2 アローの不可能性定理ふたたび
3 自由主義のパラドックス

第7章 投票と人民主権

【著者紹介】
慶應義塾大学経済学部准教授

内容説明

フランス革命前夜に生まれた投票の科学を、史的展開から解き明かし、多数決の可能性と逆理を鋭く問う。民主主義の実装に向けた、社会的選択理論の決定版入門書。

目次

序章 本書の案内
第1章 問題の出発点
第2章 正しい選択への確率的接近
第3章 ボルダルールの優越性
第4章 政治と選択
第5章 ペア比較の追求
第6章 社会厚生
第7章 投票と人民主権

著者等紹介

坂井豊貴[サカイトヨタカ]
慶應義塾大学経済学部准教授。1975年広島県生まれ。早稲田大学商学部卒業、神戸大学経済学修士課程修了、ロチェスター大学経済学博士課程修了(Ph.D.)。横浜市立大学経営科学系准教授、横浜国立大学経済学部准教授などを経て、2011年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

すずき

2
社会的選択理論の入門として優れたものだと思う。著者が認める通り社会厚生の方はごく短くしか触れていないので1〜5章がメイン。ボルダルールとコンドルセを比較しながらボルダを比較的高く評価している。正直に言うと細かい数学的証明をそこまでちゃんとは追ってないのだが、それぞれの定理が成立する条件やうまく行かないポイントなども読みやすくまとまってるのでこの分野の基礎的な知識を理解するには十分だった。2021/01/27

holybackeye

2
ミクロ経済学の一分野である社会的選択理論の、「多数決の科学」としての側面を重視した、おそらく世界で唯一のまっとうな入門書。「ボルダかコンドルセか」という社会的選択理論の主要な対立軸を明確にした上で、著者はボルダ派の立場を取る。後半では何かと大言壮語を招きやすい社会科学版「ゲーデルの不完全性定理」とも言えるアローの不可能性定理をその学問的意義は認めつつも今日的な意味は全くないと断言していてなかなか痛快。最後には厚生経済学やメカニズムデザインとも接続され、ますます可能性を秘めた分野であると認識した。2014/06/01

新橋九段

2
多数決で決定するものだと思っていたから、ボルダルールは極めて単純なアイデアではあるが盲点であった。憲法改正に3分の2の賛成が必要な理由も示されている。要所要所で出てくる証明は流石に難しいが、そこは飛ばしてしまっても内容の理解自体には差し支えない。2014/05/10

shin_ash

1
坂井先生の縦書の2冊に続いて読んでみた。必ずしも全て理解できたわけではないが、多少数理的な背景に触れながら展開される内容が、自分にとってはわかりやすく納得感があった。これまでつかみどころのなかった、「社会におけるより良い選択のあるべき姿」を多少なりともイメージしやすくなった気がする。その一方で、よりそのイメージを深めるにはもっと周辺知識が必要であることも分かった。その意味では確かに「招待」である。重要だが一般的ではなく学祭的な要素がある分野をわかりやすく「招待」してくれる良書である。2016/09/04

はひへほ

1
タイトル通り社会的選択理論の入門書。ところどころ、持論への招待もみられるが、それを除けば、ゴリゴリ読むだけで入門的内容が理解でき、アローの不可能性定理まで到達できるのは良い。2016/02/15

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