はしごを外せ―蹴落とされる発展途上国

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  • サイズ B6判/ページ数 284p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784535555891
  • NDC分類 333.8
  • Cコード C3033

内容説明

先進国は、みずからが発展途上にあるときに採用しなかった政策と制度を、なぜ途上国に強いるのか。ミュルダール賞・レオンチェフ賞受賞の名著、待望の完訳。

目次

第1章 序:富裕国は本当のところいかにして豊かになったか(いくつかの方法論上の問題:歴史から教訓を得る;各章の構成;健康上の注意)
第2章 経済発展のための政策:歴史からみた産業・貿易・技術政策(キャッチアップ戦略;先頭国の引き離し戦略とキャッチアップ国の対応―イギリスとその追随者;工業発展のための政策:いくつかの歴史的神話と教訓)
第3章 制度と経済発展:歴史的視点からみた「良いガバナンス」(先進国における制度発展の歴史;過去と現在の発展途上国における制度発展)
第4章 現在への教訓(開発のための経済政策を再考する;制度の発展再考;ありそうな反対論)

著者等紹介

チャン,ハジュン[チャン,ハジュン][Chang,Ha‐Joon]
1963年韓国生まれ。ソウル大学で経済学を学んだあと、ケンブリッジ大学に留学、1992年にPh.D.を取得。1990年からケンブリッジ大学で開発経済学を教え、2005年より同大学準教授(Reader)。産業政策・開発経済学・制度派経済学などに関する多くの著作があり、Kicking Away the Ladder:Development Strategy in Historical Perspective,Anthem Pressで2003年にミュルダール賞を得た

横川信治[ヨコカワノブハル]
1950年生まれ。東京大学大学院経済学研究科を経てケンブリッジ大学卒(Ph.D.)。現在、武蔵大学教授

張馨元[チョウシンエン]
1980年中国生まれ。現在、東京大学大学院経済学研究科博士課程在学中

横川太郎[ヨコカワタロウ]
1983年生まれ。現在、東京大学大学院経済学研究科博士課程在学中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちぃ

25
先進国がどのように発展してきたかの歴史を振り返ることで、現在先進国が途上国に強いている政策の妥当性を問う一冊。とてもわかりやすい一方で、今途上国が、17~19世紀の先進国がやっていたことを繰り返して、成長するかというと疑問でもある。実際中韓印はそうやって伸びてきたと言われるとそうですかと思うけど…?グッドプラクティスを闇雲に途上国に押し付けることの愚かさ、またその多くが無邪気な善意から来ているというのは賛成。東南アジア中南米も伸びてきて、次は南アジア、アフリカと思ってる私は楽観的すぎるのかなぁ~2018/09/27

yooou

6
☆☆☆★★ ハジュン・チャン二冊目です。先進国が昔皆保護主義であったという事はわかっていたのだけれども、では外したはしごが何だったのかであるとか、後進諸国を追い落とすためにだけ外している訳でもないだとか、なる程示唆に富んだ一冊でありました。2014/09/24

Mealla0v0

5
先進国は自由競争・自由貿易を是として、それを後進国にも波及させようとする。自由な競争こそが発展を促すと考えているからだ。しかし、その先進国は実際にはかつては保護主義を取っていた。保護による資本蓄積が離陸を可能とした以降は経済的自由を謳い始めたに過ぎない。そのことを著者はヨーロッパ各国の歴史を広範に確認することで実証している。一般に、そうした開発主義的体制は戦後アジア(日本、ニースなど)に特有な「例外」と考えられてきたが、本書はむしろそれを一般的な発展経路と捉えている。2022/08/17

Gloria

2
方法論:主流の新古典派経済学の抽象的で演繹的なアプローチとは対照的な、具体的で帰納法的な「歴史的アプローチ」。政策/制度の2つに分けNDC(現在の先進国)の発展プロセスを紐解く。 結論:NDCは発展初期段階では保護主義政策だったが、先進国になると自由貿易自由市場を支持しあたかもそのやり方だけで発展してきたかのように嘯く。結果、現在発展途上国は発展に必要な保護主義的段階を通れないがために発展が妨げられている。(=はしごから蹴落とされている) *制度について:発展の基礎。でもコンテクストベースの研究が必要。2016/10/08

ぽんちょ

2
★★★★ 良い政策は実は悪い政策だった?2013/04/02

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