内容説明
日本の入会林野も英国のコモンズも、きわめて現代的な存在であるが、起源が古いせいか、過去の遺物のように誤解されることが多い。本書は、そうした誤解、あるいは思い込みにとらわれることなく、公的な存在でもなく、私的な存在でもない財産区有林や共有山などの共的な森林と人々とのかかわりに関する研究結果をまとめたものである。
目次
第1章 日本の入会林野の歴史と財産区有林
第1章補論 一部事務組合有林・記名共有林として管理される林野
第2章 山林コモンズ:繁盛するもの、新機軸をめざすもの―滋賀県3フィールドの入会林野の管理実態
第3章 財産区の制度分析:議会制と管理会制―富士宮市白糸財産区有林と葛巻町葛巻財産区有林を事例に
第4章 イングランド、ウェールズにおけるコモンズの歴史と現況
第5章 資源管理とコモンズ論
第5章付録 世界のコモンズ一覧・コモンズ定義集
第6章 入会林野に根づく学校林―歴史と現在
第7章 水と山におけるコモンズの内法―持続性に向けてのルール
補論 なぜ今「コモンズ」なのか
資料案内およびフィールドメモ
著者等紹介
室田武[ムロタタケシ]
1943年群馬県生まれ、栃木県育ち。1967年京都大学理学部物理学科卒業。1969年大阪大学大学院経済学研究科修士課程修了。1976年ミネソタ大学Ph.D.(経済学博士)。国学院大学経済学部専任講師、一橋大学経済学部教授、ヨーク大学(カナダ)大学院環境学研究科客員研究員などを経て、現在、同志社大学経済学部教授。炭焼きの会顧問
三俣学[ミツマタガク]
1971年愛知県生まれ、滋賀県育ち。1996年同志社大学経済学部卒業。1997年大阪市内の私立中・高等学校社会科講師。2000年同志社大学経済学研究科修了。現在、京都大学大学院農学研究科博士課程在籍。新潟大学経済学部、京都精華大学人文学部、大阪商業大学経済学部非常勤講師。コモンズ研究会代表
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