内容説明
本書は、マルクス、ポランニー、ハイエク、ヴェブレンなどの現代社会を築いた思想家、理論家を新たな視点からとらえかえし、今後の複雑な経済社会の認識の方法と基礎を確定し、現代社会を総合的な視野に納めたものである。その中で、一方でダイナミックな発展への潜在力をもつ市場原理を重視しつつ、他方で市場原理を相対化し生活世界の原理を提示すること、すなわち当面する現代社会現象を制度とその進化の問題として考察している。
目次
多元的経済社会の構想と経済学の課題
第1部 思考の枠組み(資本蓄積と制度進化;産業化過程における誘因体系の形成―労働力支出の最適化問題とその解決;市場・制度・「家族」―フェミニスト経済学の可能性)
第2部 経済社会の総合的ヴィジョン(広義の経済学の方法―市場原理の相対化に向けて;「市場対計画」の終焉と『大転換』―ポランニーの経済社会ヴィジョン;市場社会の起源と進化―マクロ経済史の書き換えに向けて)
著者等紹介
杉浦克己[スギウラカツミ]
1937年生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得満期退学。現在、帝京大学経済学部教授、東京大学名誉教授
柴田徳太郎[シバタトクタロウ]
1951年生まれ。東京大学経済学部卒業。同大学大学院経済学研究科第2種博士課程修了。経済学博士。現在、東京大学大学院経済学研究科教授
丸山真人[マルヤママコト]
1954年生まれ。東京大学経済学部卒業。同大学大学院経済学研究科単位取得満期退学。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授
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