出版社内容情報
日本国憲法という未完のプロジェクトの行方を、表現の自由と熟議民主主義を通じて考察し、いかにして自由で民主的な社会を構想して行くのかを問い続けた憲法研究者、故・川岸令和の単著論文集。
内容説明
近年ますます苦境に立たされている「表現の自由」に対し、著者=故・川岸令和がかけた想いとは―。著者が「表現の自由」の現況を解明し、その活性化を展望する論文を17本収録した、初の単著論文集。著者へ学術的に大きな影響を与えたブルース・アッカマンの追悼文も収録。
目次
第1部 自由の構成としての憲法―自省的社会構築のための原理論(表現の自由・寛容・リベラリズム―表現の自由の一般理論のための予備的考察;言論の自由と熟慮に基づく討議デモクラシー―その予備的考察;自由の構成としての憲法―熟慮に基づく討議デモクラシーの可能性;未完の憲法革命―新しい時代の幕開けと美濃部達吉)
第2部 表現の自由の諸相―苦境から展望へ(表現の自由とその限界;表現の自由と人格権と―『週刊文春』事件の衝撃;表現の事前抑制と検閲―表現の自由の源流、そしてその擁護のために ほか)
第3部 自省的社会の制度的課題(選挙資金規制についての一考察―制度と権利の狭間で;執行権と大統領制―単一執行権論と単独主義をめぐって;裁判官と表現の自由―アメリカの経験を通して考える ほか)
著者等紹介
川岸令和[カワギシノリカズ]
早稲田大学名誉教授。1962年大阪市天王寺区に出生。2022年8月1日60歳で他界(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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