出版社内容情報
憲法9条「改正」問題、コロナ感染症、ロシアのウクライナ軍事侵攻など時代の岐路となる諸問題に対する知的営みのありようを示す。
内容説明
なぜ本書を編むことになったのか。いま、日本の政権の無軌道ぶりに心が波立ち、昔流にいえば、政治に対するアンガジュマンを強いられて、状況はなお続いているからである。…相手は「無軌道」などとつゆ思わず、日本国家のために着々と手を打っていると確信しているのだろう。そうではないという批判を市民社会に広げて、政治を変える条件を作り出さなくてはならない。研究者にできるのは、…知的な観察によって「議論の本位」を立て、相手の間違いを追究することではないかと思う。(本書はしがき)
目次
第1部 科学と政治―日本学術会議会員任命拒否問題の射程(科学と政治の関係―任命拒否問題とは何か;科学者コミュニティと科学的助言;「日本学術会議問題」と学問の自由 ほか)
第2部 市民社会のルネサンスと市民プロジェクト(変革の戦略としての市民社会論;現代ドイツの市民社会論と市民法について;市民社会論のルネサンスと法社会学 ほか)
第3部 日本社会と日本国憲法(「平和憲法の世界的、現代的意義」について;明治一五〇年と日本国憲法;「改憲」論を日独比較から読み解く―危機とチャンス ほか)
著者等紹介
広渡清吾[ヒロワタリセイゴ]
1945年福岡県生まれ。1968年京都大学法学部卒業。東京大学社会科学研究所教授、同大学副学長、専修大学法学部教授を経て、東京大学名誉教授。日本ドイツ学会、日本法社会学会、民主主義科学者協会法律部会各理事長、日本フンボルト協会理事長、日本学術会議会長等を歴任。専攻はドイツ法・比較法社会論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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