出版社内容情報
62年間にわたる弁護士活動のうち、松川事件など特徴的な事件の弁護活動と刑事司法問題への取組みと展望を綴った実践の書。
目次
第1章 今もなお、現役の弁護団員として―日野町事件再審開始決定
第2章 生い立ちと弁護士となるまで
第3章 弁護士登録当時の大阪の状況と弁護活動―水を得た魚の如く
第4章 公安事件
第5章 官公労のスト権奪還闘争、争議行為と刑事罰
第6章 部落解放同盟の暴力、利権とのたたかい
第7章 毛利与一先生、佐伯千仭先生に学ぶ
第8章 日弁連での刑事立法への取組み
第9章 自由法曹団の活動について
著者等紹介
石川元也[イシカワモトヤ]
1931年長野県松本市生まれ。1954年東京大学法学部卒業。第9期司法修習生。1957年弁護士登録(大阪弁護士会)、現在に至る。日弁連刑事法制委員会委員長(1987~1990年)、法務省法制審議会刑事法部会委員(1989~1995年)、自由法曹団団長(1994~1997年)などを歴任。戦後の「人権と民主主義の擁護」という弁護士活動の陣頭に立ち、現在も日野町事件再審裁判、刑事弁護の拡大等、精力的に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ねお
11
まさに戦後司法史の生き証人である。戦前の治安維持法違反被告事件を弁護し、東京裁判では戦争犯罪を弁護した毛利与一先生と佐伯千仭先生の薫陶を受けた石川先生が作り上げてきた判例と刑事司法の土台の厚さに慄く。思想統制の厳しい時代に司法修習生として採用され、松川事件や多くの大衆的裁判闘争では、権力の恣意的行使に対抗し、米寿を超えた今も日野町事件の再審弁護団に名を連ねられる。調査官解説が個人の解説とされた契機や刑法改正反対運動にも精力的に活動され、法制審議会の議事録が顕名となる契機を作られたという歴史にも驚いた。2021/01/11
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