内容説明
「恋人を奪われ嫉妬に狂った殺人犯」として逮捕・起訴され有罪判決を下された女性。改めてその捜査と裁判の全経緯を検証しても、曖昧な情況証拠と大雑把な「可能性」だけで犯罪事実を認定した判決で誤判としかいいようがない。再審への道は彼女のためにある。
目次
第1部 「恵庭裁判」を総括する(事件の発覚;事件の二日後に容疑者に;一審公判;弁護側の反証;論告・求刑・弁論;初動捜査の影:北海道警察の負の遺産;一審判決;一審判決の批判:「可能性」で有罪とした一審判決;控訴審公判;控訴審判決;上告審;上告棄却決定)
第2部 「恵庭裁判」を検証する(いびつな証拠構造:恵庭OL殺人事件有罪判決;恵庭OL殺人事件の法医学鑑定;証拠開示の原則と恵庭OL殺人事件)
著者等紹介
伊東秀子[イトウヒデコ]
1943年中国(現長春)生まれ。東京大学文学部卒業後、東京家庭裁判所調査官を経て、1979年司法試験合格。1981年弁護士登録。1990~95年まで衆議院議員2期を務める。1995年に弁護士業を再開し、刑事事件の他、医療過誤・行政・労災事件等多くの民事事件に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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たろーたん
1
読んだ後、youtubeで取り扱っている動画を見た。個人的な「無理じゃね?」ポイントは、検察側が主張した殺害方法。被害者が大妻の車の助手席に乗った状態で、大妻が後部座席からタオルで首を絞めたとしているのだけど、大妻の車はツードア式で、後部座席に行くためには一度車から降りて運転席を前にやって乗らなくてはならず、さらにヘッドレストがある状態で助手席の被害者を絞殺したのは、体格差以前に無理があるように思えた。しかも、大妻の車には被害者の指紋や毛髪は発見されていない。(続)2023/09/12
takao
1
☆冤罪は先入捜査とマスコミ操作から2017/08/24
aochama
1
確かな証拠もないにもかかわらず、最高裁でも有罪判決となった事件。日本では、警察と検察が有罪と考えたら逃れられないんですね(*゚д゚*)。疑わしきは被告人の利益にいう話は、日本ではないのですかね(>_<) 一読してみたかぎりでは、有罪にしてはいけないと思われる事案ですね。 犯人にされた人は、現在服役中ですが、再審無罪となることを祈っています。2017/06/24
jack
1
法への不信は、真実の探求に努めず、法手続にしか興味のない小役人が生み出す。 法執行者の愚行に迫る驚愕の書。 ☆4.82015/06/01
sirokuma
1
どう見ても冤罪。明日、再審請求の結果が出る。どうか通りますように。無実の女性に罪を着せている暇があったら、真犯人を捕まえてほしかった…。ほんと恐ろしい国に住んでるんだな、と実感する。2014/04/20
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