内容説明
獄中への手紙―書き手は、書くという行為によって利益を得ることを、なんら期待していない。書かなければならない義理もない。それはまったく、本人の自発的動機にもとづくものである。公表されることを予定していないから虚飾もない。さまざまな人々が、獄中の被告人に激励の手紙を書いた。そこに書かれている、さまざまな支援活動こそが、ひとりの人間のいのちを、まぎれもなく救ったのである。本書は、獄中への手紙でつづる、ユニークな人権活動史でもある。
目次
どのような営為が生命を救ったのか―「もう一つの人権論」の試み
仁保事件の概要
真実の伝播(その開始;その中心的担い手たちの登場)
真実の力なお及ばず―第二審も死刑
真実のひろがり、燎原の火のように―1969年の運動
役者はそろった―通保、仕事を辞めて専従に
怒濤の進撃―最高裁包囲へ
命は助かった―最高裁、原審破棄・広島高裁へ差戻し
真実、ついに勝利す―差戻審での巻き返しを許さず
ふるさとに抱かれ、誠実な一社会人として―無罪確定後の岡部保の歩み
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