内容説明
インターナショナリズムからグローバリズムへの大転換と「ウクライナ」と「ガザ」をつなげる世界史の構造を読み解くラディカル・ヒストリー。
目次
第1部 1991‐2008年(1990年、東西ドイツの統一;ヨーロッパ連合;新自由主義とグローバリゼーション;“帝国”の時代―ユーゴ紛争を契機として;バブルの時代;金融資本主義;リーマン恐慌)
第2部 2008年以後(リーマンショック後の時代;赤字国債と国家主義の台頭;BRICSの台頭 中国;アメリカの一国支配の危機―アメリカは衰退するのか?;先進国の停滞とナショナリズム;アジアの勃興、アフリカのリヴェンジ;新たなる近代の始まり―コロナ以後;近未来とアジアの時代;三たびの世界大戦?;世界史の危機としてのウクライナ、ガザ)
著者等紹介
的場昭弘[マトバアキヒロ]
日本を代表するマルクス研究者、哲学者。1952年、宮崎県生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学博士)。マルクス学、社会思想史専攻。元・神奈川大学経済学部教授(2023年定年退職)。同大で副学長、国際センター所長、図書館長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おたま
48
ほぼ東西冷戦の終結から現在までを扱った世界史の内容となっている。大きな流れからいうと、東西冷戦の終結⇒社会主義陣営の崩壊⇒資本主義特にG7を中核とした世界秩序の形成⇒リーマンショックによるG7特にアメリカの弱体化⇒BRICSによる世界秩序の多極化という経路をたどって現在に続いている。そこにさらに国家を超える企業のグローバル化、イスラム原理主義的な運動と難民の流出及びヨーロッパへの流入、コロナ・パンデミック、気候変動危機、シンギュラリティ問題等が加わって、様相はより混沌としてきている。2025/03/03
よっち
30
東西冷戦崩壊からリーマン恐慌、コロナパンデミック、そしてウクライナ・中東の戦争に至るロジックを解説する現代世界史講義。東西ドイツを巡る様々な思惑とヨーロッパ連合、新自由主義とバブル時代、金融資本主義とリーマン恐慌。赤字国債と国家主義の台頭、BRICSの台頭、アメリカ一興主義の危機と、コロナパンデミック、世界史の危機としてのウクライナ・ガザ戦争。日本の失われた30年をドイツと対比して論じていたのは興味深かったですけど、今はアジアやアフリカといった非西欧世界にとってもターニングポイントなのかもしれないですね。2024/10/04