出版社内容情報
在野史家のレジェンド礫川全次による、定年前後から、働きながらの歴史家デビュー指南。
礫川全次[コイシカワゼンジ]
著・文・その他
内容説明
史料の探し方・読み方、フィールドワークの手法、研究のまとめ方・発表まで、豊富な体験から惜しみなく指南。在野史家のレジェンドが教える「独学歴史家」への道。定年前後からでも、働きながらでも、夢がかなう「知の発信者」になるための成功ノウハウ。
目次
第0部 歴史を独学する―何よりも自分のために(誰だって捨てられないものがある;なぜ「歴史」をお勧めするのか ほか)
第1部 独学者という生き方―今日からあなたも研究者(「研究者」としての自覚を持とう;生じた疑問は、そのつど解消しておく ほか)
第2部 独学者の恍惚と不安―研究の進め方(意外なところに貴重な情報が眠っている;「史料の発掘」は難しいことではない ほか)
第3部 研究成果は世に問うべし―研究をカタチにする(先輩の苦労話を読んでみる;見習うべき論文を見つける ほか)
著者等紹介
礫川全次[コイシカワゼンジ]
1949年生まれ。1972年、東京教育大学卒業。在野史家。「歴史民俗学研究会」代表。一時、ノンフィクションライターを名乗る。フィールドは、近現代史、犯罪民俗学、宗教社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
花男
21
とりあげたい研究テーマは決まっているので、参考にしたい。テーマを書こうとなると自分の人生の一大プロジェクトになるが、晩年に取り組むことになるだろう。2022/07/12
さとうしん
18
歴史学の研究とはどういう営みなのかということを、中高年になってからの独学という前提でまとめた本。細かな点で気になる部分はいくつかあるが、典拠には必ず当たるということや、引用のしかた、史料の発掘のコツ、独学=孤立無援で研究をするということではないということなど、大事なポイントは外していない。研究は小さな問題への関心から始まるというのを実地で示しているのが良い。2019/01/01
おの
15
図書館本。クセ強めで流し読み。「独学者が歴史という分野で未開拓のテーマを捜し出し、一定の成果を示すことは難しくはない」に励まされた。具体的手法が例と共に載っていたが、例があまり興味をそそられず← 隠されたメッセージを読み取る、の話は面白かった。シュリーマンみたく、今は金を稼いで老後どでかい遺跡を見つけたり研究するのが夢である。2024/01/04
よこ見
10
著者の執筆経験や先人の研究事例が豊富にあげられており、まず読み物として面白い。史料批判や引用の仕方など、研究や論文の執筆に必要な所もきっちり押さえている。新しく趣味を始めるとき、こういうとっかかりになる本があるととても助かる。ただ、歴史の研究は誰にでもできると書いているのはどうなんだろう。偽史や陰謀論の類を読み漁っては再生産に耽る研究者くずれも世の中には多いと思うが。2020/10/27
午睡
9
別に歴史家になろうと思わない人にとっても蒙を啓かれる良書だと思う。史料の発掘、読み方、現地調査の必見性など、大事なポイントと思われる箇所をきちんとあげ、丁寧に解説されている。とくに素晴らしいと感じたのは、見習うべき論文を見つけるとした第19講で、後藤象二郎を論じた浅井論文、大津事件を論じた新井論文、開戦と敗戦を論じた河原論文を自身の理想としているところ。いずれの論文も内容が紹介されているが、たしかにむむ!と思える切り口と論旨である。こういうハイレベルな論文を理想とする研究は実り多いものになるに違いない。2020/06/01