内容説明
ベストセラー『マディソン郡の橋』『時間の砂』は欠陥翻訳ではないのか…。誤訳・悪訳を指摘した本に間違いはないのか。より良い翻訳のために、あえて実例で検証。
目次
ベストセラー『マディソン郡の橋』の場合
超訳はどこまで許されるか
『時間の砂』の超訳度
直訳から自然な日本語へ
『誤訳辞典』の誤訳
模範訳に疑問アリ
すべて磨けば光るもの
企業イメージをダウンさせるだけの広告コピー〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミノムシlove
1
翻訳の世界には生半可な覚悟では踏み込めないと痛感。日本に長く住んでいる人なら「はーれた空〜そーよぐ風〜♫」と聞くと浮かんでくるメロディがあるかと思うが、日本語が達者なある外国人タレントさんには全く通じなかった。そういう、子供の頃からの小さな積み重ねの上に言葉、ひいては文化があるのだからうっかり翻訳はできないな、と怖くなった。楽器演奏にも通じるものがある。楽譜を見てそのまま演奏するのが直訳、でも装飾音符ひとつにも時代のしばりがあり、作曲当時の楽器の特性もある。そんな知識(=意訳)が必要となってくる。2021/05/12