内容説明
現代思想がすみずみまでわかる。混沌とした「現在」を読み解くガイドブック。
目次
第1部 構造主義の登場(実存主義の「退場」;マルクス主義の「敗退」;実証主義の「勝利」と「解体」 ほか)
第2部 現代思想の論点(共産主義と自由主義;民主主義の諸相;個人主義―国家主義―地球主義 ほか)
第3部 現代日本思想家像(戦後日本思想の富;デモクラシー―大西巨人と福田恆在;歴史観―梅棹忠夫;天皇制―吉本隆明と網野善彦 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
4
「多数者が少数者を支配し、最終的には、支配そのものを不要にする、というのがマルクス主義政治の理念であった…しかし、国家権力を独裁してしまった共産党に対抗するシステムが、社会主義には存在しなかった…このことが明らかにしたのは、社会主義政治にとって、共産党独裁は、スターリン主義という悪魔の意志の産物ではなく不可避なものである、ということだった。現在中国や北朝鮮が社会主義システムを曲がりなりにも維持しているのは、共産党支配があるから…一握りの少数者による国家権力の簒奪、これが社会主義が実験して見せた結論である」2016/05/29