出版社内容情報
イノベーション、創造的破壊という言葉の生みの親して名高いシュンペーター。その代表作『経済発展の理論』は、近代経済学のみならず、経営学、進化経済学にも大きな影響を与えたまさに現代に生きる古典です。岩波文庫版『経済発展の理論』(上・下巻、塩野谷祐一・中山伊知郎・東畑精一訳)は、1980年に塩谷氏によって改訳され、ロングセラーとなっていますが、原著がドイツ語であり、その母体が戦前に訳されたことなどから、シュンペーターへの関心は、世界の中でも日本が飛び抜けて高いにもかかわらず、多くの読者がその難解さに挫折してきました。
本書は、日本で今まで刊行されることがなかったシュンペーターの代表作の初版を新訳するものです。本書の強みは、
①オーストリー学派研究の第一人者であるとともに進化経済学の泰斗である八木教授が、現代人にもわかりやすい表現で解説。
②原著第2版刊行に際して削除された章である「国民経済の全体像」を新訳。
③翻訳に当たっては英訳版も参照し、より平易な表現にしています。
内容説明
J・A・シュンペーターの『経済発展の理論』が一般に読まれているのは一九二六年に刊行された第7章を削除した第2版以降の版であって、一九一二年に刊行された初版ではない。同書の初版の初の完訳である本書は、旧来の経済学のすべてを「静学」の理論とみなして、現実の資本主義的な経済発展を解明する「動学」の理論をうちたてようとした若きシュンペーターの野心作を原型のまま日本の読者に提供するものである。
目次
第1章 与えられた条件によって制約された経済の循環
第2章 経済発展の根本現象
第3章 信用と資本
第4章 企業者利潤
第5章 資本利子
第6章 経済恐慌の本質
第7章 国民経済の全体像
著者等紹介
八木紀一郎[ヤギキイチロウ]
京都大学・摂南大学名誉教授、摂南大学前学長。1947年生まれ
荒木詳二[アラキショウジ]
群馬大学名誉教授。1950年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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桜餅